セッション情報 | ポスター症例その他(胃・十二指腸・外科) |
---|---|
タイトル | P-300:胃切除術式別の術後鉄欠乏性貧血の発生について |
演者 | 和田 郁雄(都立墨東病院外科) |
共同演者 | 若松 高太郎(都立墨東病院外科), 米永 晃子(都立墨東病院外科), 田村 温美(都立墨東病院外科), 谷 圭吾(都立墨東病院外科), 松田 真輝(都立墨東病院外科), 那須 啓一(都立墨東病院外科), 稲田 健太郎(都立墨東病院外科), 高濱 佑己子(都立墨東病院外科), 西川 武司(都立墨東病院外科), 脊山 泰治(都立墨東病院外科), 真栄城 剛(都立墨東病院外科), 宮本 幸雄(都立墨東病院外科), 梅北 信孝(都立墨東病院外科) |
抄録 | 【はじめに】胃切除後症候群としての鉄欠乏性貧血についてはよく知られているが,術式による相違についてはあまり知られていない.今回,我々は,術式別に鉄欠乏性貧血の発生について検討した.【対象と方法】当科にて2009年1月から2011年12月までに胃切除術を受け,術後当科で経過観察されてこれまでに再発が認められていない症例を対象とした.これらを術式別にA群:胃全摘+RY法再建,B群:幽門側胃切除+RY法再建,C群:幽門側胃切除+B-I法再建の3群に群別し,術後経過中の貧血と血清鉄の変動について検討した.【結果】対象は89例(男:女=55:34),平均年齢は68.3歳であった.術後の平均経過観察期間は29.6ヶ月であった.術後経過中に血清鉄の低下を伴う貧血は61例68.5%)に認められ,術後から発症までの期間は22.3ヶ月(3-45ヶ月)であった.A群:B群:C群=30:34:25例であった.血清鉄低下の頻度は胃全摘例が幽門側胃切除例に比較して有意に高く(83%),発症までの期間も17ヶ月と短かった.一方,幽門側胃切除例でのB-1法とRY法との比較では,RY法がやや鉄欠乏の頻度が高かったものの,有意差を認めなかった.【考察】経口摂取された鉄は十二指腸から上部小腸で吸収されるが,その際2価鉄に還元される必要があるため,胃切除をされると吸収不良となるとされる.今回の結果では,再建術式により,鉄欠乏の頻度や時期が異なることが示され,鉄欠乏性貧血の予防のためには胃の温存及び十二指腸への食事の通過が重要であることが示唆された. |
索引用語 |