セッション情報 ポスター

GERD 1

タイトル P-301:

当院におけるプロトンポンプ阻害薬治療抵抗性難治性GERDに対する取り組み

演者 水野 秀城(富山市立富山市民病院消化器内科)
共同演者 蓑内 慶次(富山市立富山市民病院消化器内科), 青山 庄(富山市立富山市民病院消化器内科), 樋上 義伸(富山市立富山市民病院消化器内科)
抄録 【目的】当院では,標準量のランソプラゾール,ラベプラゾール(RPZ),オメプラゾールを4週以上継続投与しているにもかかわらずFSSGの総合スコアが8点以上の場合を難治性胃食道逆流症(GERD)と定義している.そこで,新規プロトンポンプ阻害薬(PPI)であるエソメプラゾール(EPZ)の治療効果について検討した.【対象・方法】対象は,2012年2月から2013年8月までにGERDと診断され上記定義に該当した20歳以上の患者で,文書で同意の得られた68例.EPZ 20mg/日に変更して投与1週後,2週後,8週後のFSSGの推移を評価し,生活歴や生活習慣病等の患者背景因子について検討を行った.【結果】8週時点でGERD治療を終了している36例をA群,GERD治療を継続している32例をB群に分類した.A群のうち,17例はEPZを2週間以上継続し,4例は処方日数制限のため,14例は効果不十分なため標準量あるいは倍量のRPZへ変更した.平均4.56±3.25カ月で治療を終了した.B群のうち,14例はEPZを2週間以上継続し,18例は効果不十分なため倍量のRPZへ変更した.平均12.3±4.91カ月間治療を継続している.治療前のFSSG総合スコア,酸逆流関連症状スコアに関して,B群がA群に比べ有意に高いスコアを示したが,8週間の治療でA群と同程度に有意なスコアの低下がみられた.運動不全症状スコアに関しては,治療前のスコアに有意な差を認めず,8週間の治療でA群の改善に比べ,B群の改善は緩徐で,2週から8週の間に有意なスコアの低下を認めなかった.患者背景因子に関して,B群では生活習慣病に対する治療を行っている症例が有意に多かった.【考察】当院の定義で難治性GERDと診断した症例の半数は,EPZやRPZを4か月以上投与することで,治療を終了することができた.しかし残りの半数は,EPZや倍量のRPZを12カ月以上継続投与している.治療継続が必要な症例は,運動不全症状の改善が緩徐で,生活習慣病に対する治療を行っていることが多いことから,PPI以外の治療の追加が必要と考えられた.
索引用語