セッション情報 |
ポスター
GERD 1
|
タイトル |
P-303:難治性NERDに対してPPI+茯苓飲または六君子湯の交替療法が有効の可能性
|
演者 |
那須 眞示(大分三愛メディカルセンター内科) |
共同演者 |
藤原 省三(大分三愛メディカルセンター外科), 阿南 勝宏(大分三愛メディカルセンター外科), 伊藤 祐司(大分三愛メディカルセンター内科) |
抄録 |
今回難治性GERDの定義は,通常量のPPI治療や消化管運動促進剤を用いても,Fスケール(FSSG)改善率が30%以下のものとし,原則としてNERD症例について検討した.六君子湯(六)はエビデンスが報告されているが,成分の類似した茯苓飲(ぶくりょういん)(茯)は漢方医で時々上腹部症状に使用されているに過ぎない.我々は,NERDに対してPPIのみでは不十分で,さらに六を加えても症状の軽快が得られず下痢を生じた症例を認めていたことから,まずは茯を先行投与して改善不十分と判定された例に対し,六に交替する方法を試みた.【目的】NERD症例に対して,PPIと併用して六または茯を投与した患者の背景とその有効性や投与経過を検討した.【対象】当院に2010年4月から2013年7月までに受診し,初回上部消化管内視鏡検査によりLos分類でNERDと診断された患者で,Fスケール8点以上の所見を要した症例のうち,3か月以上経過観察が行えた自験例20例を対象とした.【方法】NERD症例に対して,当初からPPI投与を基本とし六または茯を併用した.過去の経験上,女性か心身症様の症例には六から投与し,それ以外にはできるだけ茯から始めた.その前後でFスケールによる効果判定を行いながら,改善率が30%以下となるか,患者の満足が得られるまで処方の変更を行った.【成績】同時期に服用したすべての症例は茯126例,六108例.最終的にPPI+茯の処方に至った群(茯群)10例とPPI+六の処方に至った群(六群)9例に分けて検討した.1例は他剤で改善.茯から六への変更は7,六から茯へは2.茯群と六群では,男女比4/6対3/6,平均年齢66.1対50.3歳,中等度以上の裂孔ヘルニア3対5.H.pylori感染5対4.症状の改善率69.0%対62.7%.無効例1対0(全有効率95%).PPIは頓用のみで満足する例もみられた.【結論】まだ例数は少ないが,六君子湯に茯苓飲の選択肢を増やすことで難治性NERDに対する治療有効率が高まる可能性が高いと思われた. |
索引用語 |
|