セッション情報 ポスター

GERD 1

タイトル P-304:

Sit up,Lay down動作時に腹圧依存性に咳嗽が誘発される徴候はGERDによる身体所見か?

演者 松原 英俊(医仁会武田総合病院総合診療科)
共同演者
抄録 【目的】GERDは慢性咳嗽,咽喉頭異常感症,副鼻腔炎など多彩な食道外症状が知られている.これは急性期においてもGERDが咳嗽,咽喉頭症状,鼻症状をきたしうることを示唆している.そこで一般外来で認められる上気道炎症状にもしGERDの関与があれば早期から病態に即した治療を行い治療期間の短縮と早期にQOL改善が望める.我々は複数の患者で外来診察時にsit up,lay down動作時に腹圧依存性に咳嗽を認める(sit up sign,lay down sign陽性)ことを発見した.逆流は腹圧上昇時や臥位時に誘発されやすいことからこのような上気道炎症状症例の病態の背景にGERDがあるものと考えられ,解析を試みた.なお発表時sit up徴候の動画を掲示する予定である.【方法】対象:平成24年9月1日から1年間の期間強い咳嗽症状のため特定の医師を受診した患者.sit up sign,lay down signのいずれかが陽性の患者18名(20~66歳,男性4名,女性14名).外来診療録から,現病歴,身体所見などを解析した.【結果】咳嗽罹病期間は3日~3ヶ月であり3週間位内の急性期は15例認めた.PPI投薬加療中のGERD患者1例,アレルギー性鼻炎3例,喘息1例,3週間以内のインフルエンザ罹患3例.咳嗽は5例が朝起床時,8例が就寝時に,7例は明らかに発作性に出現.咽喉頭症状,鼻症状は各5例,腹痛3例,呑酸2例,胸焼け1例.3例で明らかな食生活の変化が先行,食事との前後関係を有すると類推できるものが9例.sit up signは15例で,lay down signは11例で陽性.1週間以内の前治療歴は5例で有り.肺機能検査は10例で行われており1例のみ喘息に該当した.治療は全例で生活習慣指導をおこない,PPIは4例に,ムコダイン,半夏厚朴湯,五苓散を17例に,デキストロメトルファンを16例に,リン酸コディンを1例に投薬した.1週間以内に改善傾向の1例でPPI追加投与,1例はマクロライド,β2刺激薬を投薬されていた.残り16名は2週間位内の投薬にもかかわらず,1ヶ月以内に再診する患者はなかった.【考察】急性期咳嗽の中に少なからずGERD特異的な徴候を有する患者を認めた.
索引用語