セッション情報 ポスター

GERD 1

タイトル P-305:

高齢者のGERD患者におけるエソメプラゾール20mgの有効性

演者 和田 勲(秋田組合総合病院消化器科)
共同演者 渡部 博之(秋田組合総合病院消化器科), 星野 孝男(秋田組合総合病院消化器科), 藤井 公生(秋田組合総合病院消化器科), 米山 和夫(秋田組合総合病院消化器科), 津田 栄彦(秋田組合総合病院消化器科), 大高 日本(秋田組合総合病院消化器科), 木下 展克(秋田組合総合病院消化器科), 渋谷 健吾(秋田組合総合病院消化器科)
抄録 【目的】日本人において,H.pylori感染率の低下および環境因子の変化により,胃酸分泌が亢進し,GERDの有病率は増加している.また,GERDは胸焼けや呑酸などの様々な症状を呈しQOLを低下させる.そこでGERD患者における第2世代PPIであるエソメプラゾールの有効性を検討するため,特に高齢化の進む本地域にて,65歳以上の高齢者に対し,GERD Q問診票,QOLRAD-J質問票を実施し,内服による症状改善やQOL改善の効果を検討した.【方法】65歳以上の高齢者に対し,GERD Q問診票にて8点以上の初診患者,またはGERD治療継続中患者でGERD Q問診票にて治療抵抗性の患者を対象とし,エソメプラゾール20mgを1日1回投与,約4週間後のGERD Q問診票による治療の有効率や,QOLRAD-J質問票によるQOL改善のスコアを検討した.【結果】症例14例(男:女,3:11),平均年齢70.2歳,前治療有8例:無6例(前治療はすべて既存のPPI).GERD Qによる逆流症状消失率,治療有効率ともに85.7%(12/14),前治療有症例では逆流症状消失率,治療有効率ともに75.0%(6/8),前治療無症例では逆流症状消失率,治療有効率ともに100%(6/6)であった.また,QOLRAD-J質問票の感情(p=0.013),睡眠(p=0.04),飲食(p=0.02),活力(p=0.005)の4つのドメインで有意にQOLの改善を認め,身体/社会機能(p=0.07)のドメインでもQOL改善傾向を認めた.有害事象は1例も認めなかった.【結論】GERD患者では,その症状によってQOLが大きく損なわれ,その結果として,睡眠障害や活力の低下などをもたらす.その症状を改善させることが治療の目的であり,第2世代のPPIであるエソメプラゾールは,高齢者のGERD患者に対し,安全に使用でき,GERD症状を改善しQOLの改善に有効であった.
索引用語