セッション情報 ポスター

小腸 症例(腫瘍)

タイトル P-312:

進行小腸癌を合併したPeutz-Jeghers症候群の1例

演者 小西 健(東大阪市立総合病院消化器外科)
共同演者 奥山 正樹(東大阪市立総合病院消化器外科), 山田 晃正(東大阪市立総合病院消化器外科), 松本 謙一(東大阪市立総合病院消化器外科), 植田 裕司(東大阪市立総合病院消化器外科), 武田 昴樹(東大阪市立総合病院消化器外科), 長岡 慧(東大阪市立総合病院消化器外科), 菅生 貴仁(東大阪市立総合病院消化器外科), 中川 朋(東大阪市立総合病院消化器外科), 金 致完(東大阪市立総合病院消化器外科), 平岡 和也(東大阪市立総合病院消化器外科), 遠藤 俊治(東大阪市立総合病院消化器外科), 西嶌 準一(東大阪市立総合病院消化器外科)
抄録 症例は60歳代の男性.幼少時にPeutz-Jeghers症候群と診断され20数年前に腸重積にて開腹手術を受けた.検診で肝機能異常を指摘され前医を受診.同院にてCT等の検査を受け膵IPMN,ポリポイドーシス,腸重積を疑われ当院を紹介受診した.当院で施行したMRCPにてVater乳頭部癌を疑われた.腹部造影CT検査では,Vater乳頭部付近の造影早期での濃染,横行結腸と小腸に重積を認めた.腸管血流は保たれており,腸閉塞像は認められなかった.上部消化管内視鏡では多発するポリープとVater乳頭部に腫瘍を認め同部からの生検ではGroup4であった.PET-CTでは横行結腸の重積部位(SUV Max:7.352→8.019)と小腸の重積部位(SUV Max:4.024→4.656)にそれぞれ著明な集積亢進を認めた.大腸内視鏡では横行結腸に1型腫瘍を認め生検ではGroup5であった.ご本人とご家族へ病状説明した結果,膵頭十二指腸切除は希望されず,消化管の通過障害を回避するための手術のみを行う方針となった.手術所見は,横行結腸とTreitz靭帯より30cm肛門側の空腸に腫瘍を認め,結腸部分切除と空腸部分切除を施行した.小腸の腫瘍は55×45mm大の3型で,組織学的には腺癌であった.粘液癌,高~中分化型管状腺癌,充実型低分化腺癌,非充実型低分化腺癌,乳頭部癌などの像が混在し多彩な像を示していたが,粘液癌の成分がやや優位であった.癌は小腸壁を越え,腸間膜にまで直接浸潤していた.腸間膜内のリンパ節にも直接浸潤あるいは転移と思われる像が見られた.また小腸癌の周囲には径2cmまでの有茎性ポリープを数個認めいずれもPeutz-Jeghersポリープであった.Peutz-Jeghers症候群に合併した小腸癌切除の報告例はまれであり,文献的考察を含め報告する.
索引用語