セッション情報 ポスター

小腸 症例

タイトル P-318:

ダブルバルーン内視鏡が有用であった小腸憩室11症例の検討

演者 江原 彰仁(日本医科大学消化器内科学)
共同演者 三井 啓吾(日本医科大学消化器内科学), 秋元 直彦(日本医科大学消化器内科学), 小杉 友紀(日本医科大学消化器内科学), 鈴木 将大(日本医科大学消化器内科学), 馬來 康太郎(日本医科大学消化器内科学), 遠坂 由紀子(日本医科大学消化器内科学), 春日 裕介(日本医科大学消化器内科学), 松浦 陽子(日本医科大学消化器内科学), 小林 剛(日本医科大学消化器内科学), 米澤 真興(日本医科大学消化器内科学), 田中 周(日本医科大学消化器内科学), 辰口 篤志(日本医科大学消化器内科学), 藤森 俊二(日本医科大学消化器内科学), 坂本 長逸(日本医科大学消化器内科学)
抄録 【背景】従来,小腸憩室は内視鏡診断が困難とされていたが,バルーン内視鏡やカプセル内視鏡(CE)の登場で内視鏡診断や治療が可能となった.今回我々はダブルバルーン内視鏡(DBE)で指摘した小腸憩室11症例について報告する.【結果】小腸憩室11例のうち,回盲弁の口側40cmから120cmに位置した9例は解剖学的位置からメッケル憩室と診断し,上部空腸1例と終末回腸1例の計2例は後天性憩室と診断した.メッケル憩室9例の内訳は男性5例女性4例,平均年齢40.7歳,主訴は原因不明の消化管出血(OGIB)8例と腸閉塞1例であった.9例中7例でCEを施行し,1例は潰瘍のみ指摘,1例は憩室も指摘,5例は出血源を同定できなかった.9例中6例でメッケル憩室シンチグラフィを施行し4例で陽性だった.9例中6例で生検を行い,3例で異所性胃粘膜を認めた.治療は9例中6例を当院で手術し全例で異所性胃粘膜を認め,2例は紹介元で治療となり,1例は潰瘍や瘢痕を伴わないメッケル憩室のため経過観察となった.後天性憩室の2例は86歳と90歳の男性で,主訴はいずれもOGIBだった.CEで1例は憩室と出血を指摘し,1例は出血源を同定できなかった.DBEでは2例とも憩室内に潰瘍は観察されず,憩室内の血管性病変からの出血を認めたため内視鏡治療を行った.【考察】小腸憩室は無症状が多いとされるが,出血や腸閉塞など有症状症例は治療が必要であり,適切な治療を行うためにも診断が重要である.メッケル憩室シンチグラフィは偽陰性もあり,OGIBに有用とされるCEもメッケル憩室の診断率は決して高いとは言えない.メッケル憩室の有症状症例は若年者に多いとされ,今回の症例も9例中6例の年齢が10代から30代であり,若年者のOGIB症例では積極的なDBE施行が望まれる.また血管性病変を有する症例では治療も同時に行うことができ,DBEは有用であると思われた.
索引用語