セッション情報 | ポスター大腸 腫瘍 症例4 |
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タイトル | P-320:抗菌薬投与を行った大腸MALTリンパ腫の7例 |
演者 | 作田 和裕(山形大学第二内科) |
共同演者 | 野村 栄樹(山形大学第二内科DELIMITER宮城県立がんセンター消化器科), 吉澤 和哉(山形大学第二内科), 八木 周(山形大学第二内科), 岩野 大輔(山形大学第二内科), 佐藤 剛司(山形大学第二内科), 阿部 靖彦(山形大学第二内科), 西瀬 祥一(山形大学第二内科), 上野 義之(山形大学第二内科) |
抄録 | 【はじめに】大腸MALTリンパ腫は大腸悪性腫瘍の0.4-0.5%と比較的稀な疾患であり,その発症に何らかの病原微生物の関与が示唆されている.治療としてはH.pylori除菌に準じたPAC療法(PPI・アモキシシリン・クラリスロマイシン)が一般に行われているが,標準治療は確立されていない.当院ではPAC療法の他に,倫理委員会の承認を経て本症に潰瘍性大腸炎の治療として知られるATM療法(アモキシシリン・テトラサイクリン・メトロニダゾール)も試みている.今回,これらの抗菌薬投与を行った大腸MALTリンパ腫7例について報告する.【症例】2005年1月~2011年6月までに抗菌薬投与を行った大腸MALTリンパ腫7例.男性1例,女性6例.平均年齢66.7歳(45~77歳).部位は直腸6例,横行結腸1例.単発4例,多発3例であった.胃内のH.pylori陽性3例,陰性4例であった.効果判定期間は2~6か月で,消失5例,不変1例,縮小後増大1例であった.5例のうち2例がATM療法による二次治療で消失を認めた.なおH.pylori陽性の3例はいずれもATM療法で消失を認めた.不変・増大例は,いずれも多発病変を有し,追加治療として,放射線照射,外科手術が行われた.消失例は再発を認めていない.【結語】大腸MALTリンパ腫7例に対し抗菌薬を投与し,5例に消失を認めた.H.pylori陰性であってもPAC療法が有効な症例が存在し,無効な場合もATM療法が有効である可能性が示唆された.また単発病変に比べ,多発病変が治療抵抗因子と考えられた. |
索引用語 |