セッション情報 ポスター

大腸 腫瘍 症例4

タイトル P-324:

Cronkhite-Canada症候群の一例

演者 高橋 正倫(東芝病院)
共同演者 松原 康朗(東芝病院), 山崎 允宏(東芝病院), 柿本 光(東芝病院), 田上 大祐(東芝病院), 新野 徹(東芝病院), 田代 淳(東芝病院), 手島 一陽(東芝病院), 三輪 純(東芝病院), 新井 雅裕(東芝病院)
抄録 【症例】68歳男性.【既往歴】16歳 虫垂炎,35歳 脳腫瘍.【現病歴】×年7月より食思不振・味覚障害,8月末より4-5行/日の水様下痢が出現.9月,近医より区民検診便潜血陽性と併わせ当院紹介受診となった.下部消化管内視鏡検査で大腸全体に発赤調のIsポリープが多数認められた.その後,自覚症状の悪化に伴い,精査加療目的にて入院となった.入院時身体所見として,体重減少(3ヵ月で-7kg)を認め,また頭髪や眉毛の脱毛,爪甲の萎縮,背部や手掌の色素沈着が見られた.血液検査では低アルブミン血症を認める以外は明らかな異常所見は認められなかった.上部消化管内視鏡検査で胃全体に発赤調の山田II型ポリープが多発していた.病理学的には上下部消化管ポリープ共に非腫瘍性の過形成性変化であった.消化管ポリポーシスに脱毛・皮膚色素沈着・爪甲萎縮といった外胚葉系症状を伴うことからCronkhite-Canada症候群と診断した.ステロイド治療(プレドニゾロン30mg/日)により,食思不振・味覚障害・下痢は速やかに改善した.さらに3ヶ月後には脱毛・爪甲萎縮の回復も認められた.半年後の内視鏡検査ではポリポーシスの改善も確認した.ステロイドは漸減させ,現在5mg/日の維持療法にて再発なく経過している.稀な非遺伝性疾患であるCronkhite-Canada症候群の症例を経験した.その臨床的特徴を踏まえて報告する.
索引用語