セッション情報 ポスター

腸炎その他1 症例

タイトル P-326:

ランソプラゾールが原因と考えられたCollagenous colitisの1症例

演者 橋本 尚久(よつばクリニック)
共同演者 橋本 睦弘(よつばクリニック)
抄録 【はじめに】Collagenous colitis(以下CCと省略)は,慢性の水様性下痢を主訴とし大腸粘膜の生検にて被蓋上皮直下に特徴的なcollagen bandの肥厚を認める疾患で,近年汎用されているプロトンポンプ阻害剤であるランソプラゾールにより本症が発症することが認識されるようになり,最近その報告例が増加してきている疾患である.CCは欧米ではすでに多数の報告がなされ,慢性下痢の鑑別診断上重要な疾患として位置づけられている.当院でもその一症例を最近経験したため,ここに報告する.【症例】症例は70台半ばの男性.高血圧,狭心症,脂質異常症,逆流性食道炎で近医通院していたが,2012年12月頃より難治性の下痢で大腸内視鏡検査目的で2013年3月当院紹介.便培養:有意菌なし.内服薬にランソプラゾールがあり,CCを疑って大腸内視鏡検査を施行,盲腸から横行結腸にかけて広範に縦走傾向のあるびらんと白苔付着を認めた.生検病理所見では被蓋上皮直下にcollagen bandを認めCCと診断.ランソプラゾール中止後2週間で下痢症状は軽快.同年6月の大腸内視鏡検査で内視鏡所見の著明改善を認めた.【結論】原因不明の慢性下痢を認めた場合はCCを疑い積極的に大腸内視鏡検査と生検病理診断を行うことが必要と考えられる.
索引用語