セッション情報 ポスター

腸炎その他2 症例

タイトル P-331:

内科的治療で改善した感染性腸炎に起因した成人腸重積症の2例

演者 佐藤 克彦(大阪警察病院内科)
共同演者 山口 真二郎(大阪警察病院内科), 上間 遼太郎(大阪警察病院内科), 姫野 愛子(大阪警察病院内科), 占部 真貴子(大阪警察病院内科), 妻野 恵理(大阪警察病院内科), 堀江 真以(大阪警察病院内科), 大嶋 太郎(大阪警察病院内科), 景山 宏之(大阪警察病院内科), 宇田 創(大阪警察病院内科), 村田 真衣子(大阪警察病院内科), 望月 貴博(大阪警察病院小児科), 宮竹 英希(大阪警察病院内科), 水谷 昌代(大阪警察病院内科), 岡田 章良(大阪警察病院内科), 河相 直樹(大阪警察病院内科), 尾下 正秀(大阪警察病院内科)
抄録 【目的】感染性腸炎に起因し内科治療で改善した成人腸重積症の2例を経験したので報告する.【症例1】29才,男性.生来健康であった.臍周囲を最強点とした腹痛で受診し,造影CTで盲腸が横行結腸内に陥入する像を認め,腸重積症と診断した.ガストログラフィンによる造影で整復が可能であった.第3病日に大腸内視鏡を施行すると,盲腸に潰瘍が多発しており,大腸粘膜の培養からsalmonella属が検出された.第4病日に食事再開し,経過良好のため,第6病日に退院となった.【症例2】20才,男性.生来健康であった.上腹部を中心とした腹痛を主訴に来院し,造影CTで盲腸が上行結腸内へ陥入する像を認め腸重積症と診断した.緊急大腸内視鏡を施行し,肝弯曲付近に発赤した腸管の先進部を確認した.内視鏡からのガストログラフィン注入にて整復を試みたが,完全な整復は困難であった.第2病日のCTで重積が解除されていなかったため,ダブルバルーン内視鏡にてバルーン閉塞下でガストログラフィン造影を行うことで整復を再度試みたが,整復には至らなかった.明らかな腸管壊死の徴候はなく,手術適応はないと判断し,抗生剤を含めた保存的加療の方針とした.経過中,便培養からAeromonas Hydrophiliaが検出された.第4病日の造影CTで整復を確認できたため,第5病日より食事を再開し第11病日に退院となった.【考察】成人腸重積症の大部分は腫瘍性病変が原因となるため,感染性腸炎に起因する成人腸重積は非常に稀とされる.このたび内科的治療で改善した感染性腸炎に起因する成人腸重積の2例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語