セッション情報 | ポスター大腸癌1 |
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タイトル | P-337:当科の大腸ESD断念例の検討とその対策 |
演者 | 田中 啓仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学) |
共同演者 | 佐々木 文郷(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 川畑 活人(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 有馬 志穂(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 中澤 潤一(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 田口 宏樹(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 那須 雄一郎(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 橋元 慎一(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 上村 修司(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 瀬戸山 仁(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 船川 慶太(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 沼田 政嗣(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 藤田 浩(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学), 井戸 章雄(鹿児島大学消化器疾患・生活習慣病学) |
抄録 | 【背景】大腸ESDは,難度の高い手技であり,技術的な精度管理が必要である.今回我々は,当科で施行した大腸ESDの途中断念例において,断念に至った因子を検討した.【対象】2009年1月から2013年6月までに当科で施行した147症例・150病変のうち,治療断念例となった4例を検討した.【症例1】直腸Rbの径約50mm大,0-Isp.術前生検はadenomaであったが,各種検査にて粘膜内癌と診断しESD施行.剥離途中に筋層が腫瘍内に引き込まれ,スクリーン状にそそり立つ所見を認めた.腫瘍の筋層浸潤の可能性も考えられ,断念した.後日外科的切除を施行し,粘膜内癌であった.【症例2】直腸Rsの径30mm大,0-Ip.術前生検はadenocarcinomaであり,粘膜内癌と診断しESD施行.症例1と同様,剥離中に筋層がそそり立つ所見を認め,断念した.後日外科的切除を行い,深達度はhead invasion(SM1)であった.【症例3】横行結腸の径約20mm,LST-NG-PD.前医でEMRを試みた際にHSEの局注を施行されていた.当院でのESD時,局注の影響と思われる高度線維化を伴い,剥離に難渋した.筋層の損傷があり,穿孔の可能性もあったため,断念した.【症例4】S状結腸の径15mm大,0-IIa+IIc.sm多量浸潤の可能性があったが,患者の強い希望によりESD施行.剥離中に筋層浸潤を認め,断念した.【まとめ】断念例のうち隆起性病変が2例を占めていた.隆起性病変では,ミニチュアプローベによるEUSはエコー減衰のため粘膜下層の正確な評価が出来ていなかったことが原因と思われた.【対策】1)隆起性病変に対しEUS専用機を用いて精査を行う事により,粘膜下層や筋層の情報をより詳細に得る事が可能となった.同検査をふまえて慎重に治療方針を決定する.2)前医での粘膜下層局注や生検,再発例,隆起性病変は高度な線維化を伴うことが多く,術者の技量に応じた戦略を術前に十分に検討する必要がある. |
索引用語 |