セッション情報 |
ポスター
大腸癌1
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タイトル |
P-340:高度肝障害を伴う多発肝転移大腸癌患者における化学療法の妥当性の検討
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演者 |
岡野 尚弘(杏林大学医学部内科学腫瘍内科) |
共同演者 |
成毛 大輔(杏林大学医学部内科学腫瘍内科), 春日 章良(杏林大学医学部内科学腫瘍内科), 北村 浩(杏林大学医学部内科学腫瘍内科), 高須 充子(杏林大学医学部内科学腫瘍内科), 長島 文夫(杏林大学医学部内科学腫瘍内科), 古瀬 純司(杏林大学医学部内科学腫瘍内科) |
抄録 |
【背景と目的】高度肝障害を伴う多発肝転移大腸癌患者に対する化学療法の適応は判断に迷うことが多い.高度肝障害併発例において化学療法の妥当性を検討する.【方法】2008年6月から2013年8月までに当科で化学療法を導入した切除不能大腸癌123例のうち,多発肝転移が原因で高度肝障害(施設基準値以上のT-Bil上昇またはGrade 3以上のトランスアミナーゼの上昇)を認めた7例において化学療法のレジメン,有効性,有害事象(AE),Key drugであるオキサリプラチン(OX)の治療強度を後ろ向きに検討した.【結果】対象は年齢中央値61歳(41~70歳),男:女 6:1例,PS 0/1/2/3:0/3/3/1例,転移臓器数 1/2/3:2/3/2例,KRAS遺伝子野生型/変異型/不明 4/1/2例,CEA中央値654 ng/ml(63.1~18130 ng/ml)であった.全症例で肝転移は肝両葉に多発しており,肝機能はChild Pugh分類AまたはB,併存する腎障害は認めなかった.治療レジメンは全例FOLFOX-basedでBevacizumab 3例,Panitumumab 3例,Cetuximab 1例と全例に分子標的薬が併用された.7例中3例が治療継続中で,治療期間中央値は3.9ヵ月(0.5~7.2ヵ月)であった.抗腫瘍効果 PR/SD/PD:3/2/2例,奏効割合42.9%であった.肝障害を除くGrade 3以上のAEは4例に認められ,内訳は,治療前から認めたGrade 3食欲不振,Grade 4高Ca血症1例(PS 3,2サイクルでPD),Grade 3血液毒性2例,感染源不明の感染1例であった.OXのRelative dose intensity(RDI)中央値は1-2サイクル87%(56.1~93.1%)であり,1-2サイクルにおけるPR+SD 5例のRDI中央値74.8%,PD 2例のRDIは93.1%,92.3%であり,抗腫瘍効果とOXの初期RDIに関連は認めなかった.【結語】高度肝障害を伴う肝転移大腸癌患者においてもPS 2以下で肝不全兆候がなく,腎機能が保たれていれば,FOLFOX-basedの化学療法は比較的安全に実施できることが示唆された.OXの治療強度と抗腫瘍効果には関係を認めず,適当な減量での治療は妥当と考えられた. |
索引用語 |
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