セッション情報 | ポスター大腸癌2 |
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タイトル | P-341:当院における10mm未満大腸ポリープの治療方針 |
演者 | 梅村 賢(みやぎ県南中核病院消化器内科) |
共同演者 | 高橋 貴一(みやぎ県南中核病院消化器内科), 玉川 空樹(みやぎ県南中核病院消化器内科), 油井 理恵子(みやぎ県南中核病院消化器内科), 洞口 愛(みやぎ県南中核病院消化器内科), 阿曽沼 祥(みやぎ県南中核病院消化器内科), 飯岡 佳彦(みやぎ県南中核病院消化器内科), 大沼 勝(みやぎ県南中核病院消化器内科), 三浦 雅人(みやぎ県南中核病院消化器内科) |
抄録 | 【背景】近年,大腸腺腫切除による大腸癌死亡減少効果を報告した論文が散見される.しかし,現時点における実臨床の現場では便宜的に腫瘍径を考慮した治療方針の提示をすることが患者側の理解を得る上で重要である.特に10mm未満の小病変について全例治療すべきか経過観察可能かについての方針は未だ明確にされていない.【目的】当院で内視鏡治療施行した10mm未満大腸ポリープの治療成績を検討し10mm未満大腸ポリープの治療方針を明らかにすること.【対象】2003年4月1日から2013年3月31日に当院で内視鏡治療施行した大腸ポリープのうち腫瘍径が10mm未満であった2214例4617病変(男性1325例,女性889例,平均治療年齢67.0(25-95)歳,平均治療病変数2.1(1-21)個).【方法】対象における病変の部位,肉眼型,病理組織学的所見を検討した.【成績】対象における治療病変部位別頻度はS状結腸1430病変(31.0%),横行結腸971病変(21.0%),上行結腸855病変(18.5%)が多く肉眼型はIsが2545病変(55.1%)と最も多かった.病理組織学的所見は腺腫4179病変(90.5%),癌158病変(3.4%),その他280病変(6.1%)であった.病変の腫瘍径をA群:1-5mm(2258病変),B群:6-9mm(2359病変)に分類したところ,A群に大腸癌が26病変(1.2%),B群に大腸癌が126病変(5.3%)含まれた.両群における大腸癌の深達度を検討するとA群は全病変M癌であり,B群はM癌118病変,SM癌8病変認めた.SM癌8病変の内視鏡治療後方針は治療後経過観察が6例,追加腸切除がSM浸潤距離2050μm認めた1例と他部位に進行大腸癌を認めた1例に施行されたが全例治療後再発転移は認めていない.【考察】本検討では1-5mmの大腸ポリープにおける大腸癌の担癌率は低く全例M癌であったことから,術前検査で明らかに癌を疑う所見を認めなければ病変を切除せず経過観察とする治療方針は容認可能である.また,6-9mmの大腸ポリープに対してはSM癌を認めたことから内視鏡切除を試みる治療方針が望ましいと考えられた. |
索引用語 |