セッション情報 ポスター

大腸癌2

タイトル P-342:

大腸鋸歯状病変由来と考えられる癌の臨床的特徴

演者 奥山 祐右(京都第一赤十字病院消化器内科)
共同演者 太田 崇之(京都第一赤十字病院消化器内科), 松村 晋矢(京都第一赤十字病院消化器内科), 吉田 寿一郎(京都第一赤十字病院消化器内科), 寺崎 慶(京都第一赤十字病院消化器内科), 陶山 遥介(京都第一赤十字病院消化器内科), 豊川 優季(京都第一赤十字病院消化器内科), 中野 貴博(京都第一赤十字病院消化器内科), 川上 巧(京都第一赤十字病院消化器内科), 山田 真也(京都第一赤十字病院消化器内科), 鈴木 隆裕(京都第一赤十字病院消化器内科), 世古口 悟(京都第一赤十字病院消化器内科), 戸祭 直也(京都第一赤十字病院消化器内科), 中村 英樹(京都第一赤十字病院消化器内科), 佐藤 秀樹(京都第一赤十字病院消化器内科), 木村 浩之(京都第一赤十字病院消化器内科), 吉田 憲正(京都第一赤十字病院消化器内科), 浦田 洋二(京都第一赤十字病院病理診断科)
抄録 目的:大腸鋸歯状病変由来と考えられる癌の内視鏡診断と病変摘除の条件について検討する.対象:2009年から2013年までの間に当院消化器内科にて内視鏡的粘膜切除ないしは外科的切除を施行し,病理学的に大腸鋸歯状病変由来と考えられる癌と診断された5症例.方法:臨床情報,内視鏡所見及び切除標本の病理学的所見を検討し,大腸鋸歯状病変由来と考えられる癌について,特徴を検討した.結果:5症例の内訳は,男性1例,女性4例,年齢は43歳から88歳(平均65歳),病変部位はいずれも盲腸・上行結腸であった.鋸歯状病変の大きさは平均17.6mm,その中に存在した癌病変の大きさは平均約5mmであった.鋸歯状病変の内視鏡的形態はいずれもIs型であり,比較的白色調かつ,表面はインジゴ散布にて小円形の整ったピットを認めた.癌部分は通常観察にて病変のやや辺縁部に偏った,発赤調の陥凹として認識した.治療方法は内視鏡的粘膜切除が3例,外科的切除が2例であった.癌病変の深達度は粘膜内癌3例,粘膜下層深部浸潤癌2例であり組織型はすべて高分化腺癌であったが,1例のみ深部において粘液癌の所見を呈していた.なお,5症例のうち,2例においては過去に同部位を内視鏡的に観察し,生検を施行しており,過形成性ポリープの診断にて経過観察がなされていた.考察:右側結腸に存在する白色の扁平病変で,一見するとやや大きい過形成性ポリープと診断されている病変のなかに,微細な発赤調の陥凹を呈する病変として癌合併症例は認識される.病変摘除に関して,経時的に経過観察が十分されているわけではないので,発見時所見から考えた場合,大きさ10mmを超える病変に関しては,単発,多発に関わらず積極的に摘除をするべきと考える.
索引用語