セッション情報 | ポスター大腸癌2 |
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タイトル | P-343:当院における大腸癌の患者・臨床病理学的背景 |
演者 | 安部 良(鳥取大学医学部機能病態内科学) |
共同演者 | 八島 一夫(鳥取大学医学部機能病態内科学), 斧山 巧(鳥取大学医学部機能病態内科学), 川田 壮一郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 澤田 慎太郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 山本 宗平(鳥取大学医学部機能病態内科学), 今本 龍(鳥取大学医学部機能病態内科学), 池淵 雄一郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 松本 和也(鳥取大学医学部機能病態内科学), 河口 剛一郎(鳥取大学医学部機能病態内科学), 原田 賢一(鳥取大学医学部機能病態内科学), 村脇 義和(鳥取大学医学部機能病態内科学) |
抄録 | 【目的】下部消化管内視鏡(CS)は大腸癌検出感度に優れ,罹患率低下に寄与することが知られているが,検診における有用性の検討は十分ではない.今回我々は当科で大腸癌と診断された患者を調査し,便潜血およびCSを用いた大腸がん検診の有用性と問題点を検討した.【方法】2009年4月から2013年4月までに当科でCSを施行し病理組織学的に大腸癌と診断された242例を対象とし,臨床病理学的背景を検討した.また,診断契機が便潜血陽性:A群(60例),便潜血以外:B群(182例)の2群間で進行度を比較した.さらに大腸癌既往,大腸ポリープ(3個以上あるいは10mm以上),大腸癌家族歴を有する例を高危険群と設定し,他の予測因子を含めた患者囲い込みについて検討した.【結果】平均年齢67.7歳,男/女=145/97例,初回CS例112/242例,診断契機:便潜血陽性/スクリーニング/大腸腫瘍経過観察/有症状=61/54/14/113例.平均腫瘍径はA群/B群=21.4/33.1mmでありB群で有意に大きかった(p<0.0001).深達度(M・SM/MP以深)はA群45/15例,B群57/125例で,A群にM・SMが多くB群にMP以深が多かった(p<0.0001).進行度(Dukes A/B/C/D)はA群50/3/5/2例,B群71/30/37/44例であり,A群は多くがDukes A,B群ではより進行癌が多かった(p<0.0001).A群の傾向は,鳥取県の検診発見大腸癌患者の調査結果とほぼ一致した.便潜血陽性/初回CS/高危険群/喫煙/アルコール多飲のいずれかに当てはまる例は204/242例(84.3%)であり,当てはまらない例では女性が多かった(p<0.0001).【考察】便潜血陽性を契機にCSを行った群でより早期の大腸癌が発見される傾向にあり,現在の大腸がん検診の重要性を再認識した.今後,便潜血陽性による大腸がん検診のさらなる推進と,初回例・高危険群を考慮した内視鏡検診の確立が望まれるが,囲い込み困難な例も少なからず存在し,更なる予測因子の検討が必要と考えられた. |
索引用語 |