セッション情報 ポスター

大腸癌2

タイトル P-345:

当院における虫垂腫瘍の臨床像

演者 山子 泰加(愛媛県立中央病院消化器内科)
共同演者 平岡 淳(愛媛県立中央病院消化器内科), 相引 利彦(愛媛県立中央病院消化器内科), 奥平 知成(愛媛県立中央病院消化器内科), 白石 明子(愛媛県立中央病院消化器内科), 達川 はるか(愛媛県立中央病院消化器内科), 川村 智恵(愛媛県立中央病院消化器内科), 中原 弘雅(愛媛県立中央病院消化器内科), 畔元 信明(愛媛県立中央病院消化器内科), 谷平 哲哉(愛媛県立中央病院消化器内科), 宮田 英樹(愛媛県立中央病院消化器内科), 二宮 朋之(愛媛県立中央病院消化器内科), 道堯 浩二郎(愛媛県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】虫垂腫瘍の臨床像を明らかにすることを目的とした.【方法】対象は1999年9月から2013年5月に当院で手術にて組織学的に診断した虫垂腫瘍39例.臨床像,組織型を検討した.【成績】平均年齢は67.3±15.9歳(27-91歳).男10名,女29名.主訴は右下腹部痛が32.1%,腹部膨満感が17.9%,その他50.0%であった.術前診断で虫垂腫瘍(疑い)として手術されたものは39.3%であり,虫垂炎(39.3%)など虫垂腫瘍以外であったものは60.7%であった.CEA高値例は36.8%,CA19-9高値例は15.8%であった.組織型は良性上皮性腫瘍18例(46.1%)(粘液嚢胞腺腫17例,管状腺腫1例),悪性上皮性腫瘍17例(43.6%)(腺癌15例,粘液嚢胞腺癌2例),カルチノイド腫瘍4例(10.3%)であった.組織型別のCEA,CA19-9高値例の頻度は,良性上皮性腫瘍でそれぞれ37.5%,25.0%,悪性上皮性腫瘍でそれぞれ36.4%,9.0%であった.術後抗がん剤治療を行った例は5例であり,再発例は3例であった.平均観察期間は1204.4±1384.4日であり,死亡例は原疾患(虫垂粘液癌)によるもの1例と他病死1例であった.【結論】当院症例では女性が74.4%を占めた.CEA,CA19-9高値例はそれぞれ32%,16%で悪性例においても非上昇例が多かった.組織型は良性と悪性がほぼ同数で,良性では粘液嚢胞腺腫,悪性では腺癌が多数を占めた.虫垂腫瘍は術前診断困難例が過半数を占め,臨床的に虫垂炎が疑われる例においても,虫垂腫瘍も念頭におくべき疾患と考えられた.
索引用語