セッション情報 |
ポスター
大腸癌3
|
タイトル |
P-348:大腸腫瘍の悪性度に関与するメタボリックマーカー
|
演者 |
木村 聖路(国民健康保険三戸中央病院内科) |
共同演者 |
福田 真作(弘前大学消化器血液内科), 田中 正則(弘前市立病院臨床検査科), 濱舘 貴徳(弘前大学消化器血液内科) |
抄録 |
【目的】大腸腫瘍患者の初回治療とサーベイランス期間において,index lesion(10mm以上,高異型度腺腫,癌)が発生する為の危険因子を,町民検診の各種メタボリックマーカーで検討した.【方法】内視鏡治療した腺腫,粘膜内癌患者348例(A群)と正常大腸者(B群)306例におけるBMI,平均血圧,総コレステロール,中性脂肪値,肝機能検査,空腹時血糖,ヘモグロビンA1cを比較検討した.次にA群の初回治療とサーベイランス(観察期間63.2月,検査回数3.4回)において,index lesionを指摘したC群165例と指摘しないD群183例に細分類し同様に検討した.【成績】年齢性別はAB群間とCD群間に有意差はなかった.BMI(kg/m2)はA群24.0,B群23.5,C群23.9,D群24.0でAB群間に差があり(P=0.08),CD群間にはなかった.平均血圧(mmHg)はA群138.0/79.7,B群135.1/79.1,C群135.7/78.8,D群139.4/80.1で,収縮期のみAB群間に有意差があり(P<0.05),CD群間にはなかった.総コレステロール値(mg/dl)はA群202.1,B群200.8,C群199.6,D群204.0とほぼ同様で,中性脂肪値(mg/dl)はA群124.6,B群103.3,C群123.6,D群124.2とAB群間に有意差があり(P<0.0005),CD群間にはなかった.AST,ALT,γGTP(IU/L)はA群27.3,26.0,49.2,B群25.5,23.6,34.3,C群25.7,25.2,53.2,D群28.5,26.4,48.3で,いずれもAB群間に有意差があり(P<0.05,0.05,0.0001),CD群間にはなかった.空腹時血糖(mg/dl)はA群107.5,B群103.0,C群110.4,D群104.0と,AB群間(P<0.01),CD群間(P<0.01)に有意差を認めた.ヘモグロビンA1c(%)はA群5.76,B群5.57,C群5.80,D群5.70で,AB群間のみ差を認めた(P=0.06).【結論】大腸腫瘍患者は正常大腸者に比べて肥満の傾向と各種メタボリック因子の強い関与を指摘した.しかしindex lesionを指摘した群は指摘しない群に比べて空腹時血糖のみ高いものの,BMIや他のメタボリックマーカーには差がなかった. |
索引用語 |
|