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HCC-3 その他

タイトル P-351:

C型肝炎ウイルス関連肝細胞癌の早期発症における潜在性B型肝炎ウイルス感染の影響

演者 中野 聖士(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門)
共同演者 川口 巧(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 中本 晋吾(千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学), 川口 淳(京都大学医学部付属病院臨床研究総合センターデータサイエンス部), 神田 達郎(千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学), 今関 文夫(千葉大学総合安全衛生管理機構), 黒松 亮子(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 住江 修治(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 佐谷 学(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 山田 慎吾(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門), 鳥村 拓司(久留米大学先端癌治療研究センター), 角間 辰之(久留米大学バイオ統計センター), 横須賀 収(千葉大学大学院医学研究院消化器・腎臓内科学), 佐田 通夫(久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門)
抄録 【目的】B型肝炎ウイルス(HBV)感染はC型肝炎ウイルス(HCV)関連肝細胞癌の発症を促進する事が報告されているが,潜在性HBV感染の影響は未だ不明である.今回我々は,HCV関連肝細胞癌の早期発症における,潜在性HBV感染の影響について検討を行った.【方法】1995年~2011年の間に,当院において肝癌の診断下に肝切除術を施行された325例のうち,組織学的に肝細胞癌と診断され,HCV抗体陽性かつHBs抗原陰性であった173症例を対象とした.潜在性HBV感染を,HBs抗原陰性かつHBV DNA(PCR法)陽性と定義し,年齢の中央値により早期発癌群(n=91;61.1±5.6歳)と晩期発癌群(n=82;73.8±3.7歳)の2群に分類した.早期発癌の危険因子を多変量解析にて検討した.【成績】全症例を対象とした解析においては,ALT値(OR 1.10;95% CI 1.00-1.21;P=0.045)と白血球数(OR 1.35;95% CI 1.06-1.73;P=0.014)が独立危険因子として同定されたが,潜在性HBV感染は早期発癌における独立危険因子ではなかった.しかし,アルブミン値≧3.5g/dlの症例を対象とした層別解析においては,潜在性HBV感染は早期発癌における独立した危険因子であった(OR 145.18;95%CI 1.38-15296.61;P=0.036).【結論】潜在的HBV感染は,HCV感染患者のうち,肝予備能が保たれ比較的発癌のリスクが低いと考えられる患者群の肝発癌を促進する可能性が示唆された.
索引用語