セッション情報 ポスター

HCC-3 その他

タイトル P-354:

経橈骨動脈アプローチによる肝動脈塞栓術の際の術後止血時の新規止血バンド(ヘリックスバンド?)の有用性

演者 高田 亮(加納総合病院内科)
共同演者 田中 弘教(兵庫医科大学病院総合内科肝胆膵科), 楊 和典(兵庫医科大学病院総合内科肝胆膵科), 石井 昭生(兵庫医科大学病院総合内科肝胆膵科), 原 直樹(加納総合病院内科), 久保田 真司(加納総合病院内科), 西口 修平(兵庫医科大学病院総合内科肝胆膵科)
抄録 【目的】肝細胞癌に対する肝動脈塞術は,経大腿動脈的にアプローチされることが多いが,尿道カテーテル留置や術後安静の必要性などの問題がある.当院ではこれまで径橈骨動脈アプローチ後のカテーテル抜去時の止血バンドにはとめ太くん?を使用していたが,これは手首全体を包み込むようにバルーンで圧迫するため,疼痛・圧迫感や循環障害などの問題がある.昨年より本邦で使用可能となったヘリックスバンド?は,簡便に穿刺部のみを約1cm大のチップで血圧に応じて適切に圧迫する止血バンドであるが,肝動脈塞栓術としての使用例の報告はないため,その使用効果および問題点について検討した.【方法】平成24年1月より平成25年8月までの間に肝動脈塞栓術を施行した91例のうち経橈骨動脈的アプローチは63例であり,このうちへリックスバンド?を使用した7例の止血時間と,止血後出血や,循環障害などの合併症の有無を検討した.また,とめ太くん?とへリックスバンド?の両者で止血し,比較可能であった4例の患者については,自覚症状(疼痛,圧迫時違和感等)についても比較した.自覚症状の評価はとめ太くん?での止血時を10点と設定した際のへリックスバンドでの変化をアンケート形式で調査した.【結果】へリックスバンド?の止血時間は平均3時間40分で,全例再出血なく止血可能であり,臨床上問題となる循環障害も認めなかった.とめ太くん?とへリックスバンド?の両者で止血した患者は4名で自覚症状は,とめ太くん?よりも強い症状のあったものはなく,ヘリックスバンド?での点数は疼痛・違和感ともに3点:2名(50%),7点:1名(25%),10点:1名(25%)であり,症例数は少ないが過半数例で自覚症状の軽減が得られた.【結語】経橈骨動脈アプローチの肝動脈塞栓術時の自覚症状軽減にヘリックスバンド?は有用であった.
索引用語