セッション情報 ポスター

HCC-3 その他

タイトル P-355:

CK-19陽性肝細胞癌とAFP産生胃癌の重複癌に対しシスプラチン動注療法が著効した1例

演者 大西 理乃(岡山市立市民病院肝疾患センター)
共同演者 狩山 和也(岡山市立市民病院肝疾患センター), 大山 淳史(岡山市立市民病院肝疾患センター), 湧田 暁子(岡山市立市民病院肝疾患センター), 佐藤 雄紀(岡山市立市民病院肝疾患センター), 西村 守(岡山市立市民病院肝疾患センター), 難波 次郎(岡山市立市民病院肝疾患センター), 能祖 一裕(岡山大学大学院医歯薬総合研究科分子肝臓病学), 東 俊宏(岡山市立市民病院肝疾患センター)
抄録 症例は60歳代,男性.2013年3月に全身倦怠感にて当院救急外来を受診した.画像検査にて肝内に多発腫瘤を認め精査加療目的に入院した.入院後の精査にて門脈本幹に浸潤をきたしたCK-19陽性肝細胞癌とAFP産生胃癌の重複癌と診断した.シスプラチンの動注療法とTS-1の内服を開始した.しかしTS-1は副作用のため1クールで中止し,シスプラチンの動注のみ継続した.肝細胞癌,AFP産生胃癌ともに化学療法が著効し,4クール目終了時点でどちらの腫瘍もほぼ消失したのを確認できた.近年,胆管系の形質であるCK19陽性を示す肝細胞癌が報告され転移や再発率が高く,通常の肝細胞癌と比較して予後が不良であるとされる.またAFP産生胃癌も化学療法に対する感受性は高いとされているが標準的なregimenは確立されておらず,転移や再発率が高く予後不良な腫瘍として知られている.PubMedと医学中央雑誌にて検索した範囲内ではAFP産生胃癌とCK19陽性肝細胞癌の重複例は1例も認めなかった.今回我々は門脈腫瘍栓を伴うCK-19陽性肝細胞癌とAFP産生胃癌の重複癌に対し,シスプラチンの動注療法が著効した1症例を経験したため,若干の文献学的考察を加え報告する.
索引用語