セッション情報 ポスター

稀な肝悪性腫瘍

タイトル P-361:

脈絡膜原発悪性黒色腫の単発性肝転移に対して完全腹腔鏡下肝後区域切除術を施行した1例

演者 梅邑 晃(岩手医科大学外科)
共同演者 新田 浩幸(岩手医科大学外科), 佐々木 章(岩手医科大学外科), 高原 武志(岩手医科大学外科), 長谷川 康(岩手医科大学外科), 菅野 将史(岩手医科大学外科), 肥田 圭介(岩手医科大学外科), 大塚 幸喜(岩手医科大学外科), 西塚 哲(岩手医科大学外科), 木村 祐輔(岩手医科大学外科), 岩谷 岳(岩手医科大学外科), 若林 剛(岩手医科大学外科)
抄録 【はじめに】悪性黒色腫は,リンパ行性,血行性に容易に転移し,進行が早く予後不良な悪性腫瘍の一つである.眼球原発の悪性黒色腫は肝転移の頻度が高く予後不良とされてきたが,肝転移に対してR0切除が可能な場合には集学的治療の発展により生命予後の延長が得られることが報告されている.われわれは,脈絡膜原発悪性黒色腫の単発性肝転移に対して完全腹腔鏡下肝後区域切除術を施行したので報告する.【症例】46歳男性,2年前に右脈絡膜原発悪性黒色腫に対して放射線治療を施行,その後再燃し眼球摘出を施行された.経過観察中にCT検査で肝S7に転移性病変を指摘され,2度にわたりTAIを施行した.その後も病変が増大傾向であったため,肝外病変がないことを確認した上で完全腹腔鏡下後区域切除術を施行した.術後7PODに退院,術後2週間後から補助化学療法を開始している.【考察】われわれは,これまで多くの腹腔鏡下肝部分切除術と腹腔鏡補助下肝切除術の経験があり,腹腔鏡下での右葉の十分な脱転操作,肝切離時の出血軽減の工夫,適切なエネルギーデバイスの選択により安全に手術が可能であった.また,悪性黒色腫の肝転移に対して積極的な集学的治療については,今後も症例の蓄積が必要であるが本術式は適切なR0切除と迅速な術後補助化学療法の開始に貢献できたと考えられた.
索引用語