セッション情報 ポスター

稀な肝悪性腫瘍

タイトル P-363:

画像上胆管細胞癌との鑑別が困難であった類上皮血管内皮腫の一例

演者 岡部 純弥(市立池田病院消化器内科)
共同演者 井倉 技(市立池田病院消化器内科), 岩本 剛幸(市立池田病院消化器内科), 安岡 秀高(市立池田病院消化器内科), 谷 瑞季(市立池田病院消化器内科), 八木 麻衣(市立池田病院消化器内科), 卜部 彩子(市立池田病院消化器内科), 大西 孝則(市立池田病院消化器内科), 倉橋 智英(市立池田病院消化器内科), 小来田 幸世(市立池田病院消化器内科), 澤井 良之(市立池田病院消化器内科), 松本 康史(市立池田病院消化器内科), 中原 征則(市立池田病院消化器内科), 厨子 慎一郎(市立池田病院消化器内科), 福田 和人(市立池田病院消化器内科), 大橋 寛嗣(市立池田病院病理診断部), 今井 康陽(市立池田病院消化器内科), 黒川 正典(市立池田病院消化器内科)
抄録 【症例】73歳男性.2007年7月人間ドックで肝のう胞と多発性肺結節を指摘され,FDG-PETを施行したが,有意な集積を認めず経過観察されていた.2009年に定期健診にて肝内に最大径10 mmの多発性肝結節を指摘されたが放置されていた.2013年7月に両上肢・足底のしびれが出現したため,他院受診したところ脊椎管狭窄症と診断された.悪性疾患鑑別のため胸腹部CTを施行したところ,多発肺結節と末梢胆管拡張を伴う多発性肝腫瘍を指摘され当科紹介となった.採血では肝胆道系酵素の優位の肝障害を認め,各種腫瘍マーカーは陰性であった.胸腹部造影CTでは肝に末梢胆管拡張を伴う最大4 cm大の乏血性腫瘤が多発しており,全肺野に最大10 mm大の境界明瞭な腫瘤が多発していた.再度FDG-PETを施行したが有意な集積を認めず,画像からは末梢型胆管細胞癌や他に転移性肝癌,悪性リンパ腫などが鑑別診断に挙がった.肝腫瘤に対しエコーガイド下腫瘍生検を施行したところ,腫瘍部はHE染色では間質豊富であり,腫瘍細胞は空泡を伴う紡錐形を呈していた.免疫組織染色ではCD31陽性であり,類上皮血管内皮腫と診断した.現在自覚症状ないため,外来で経過観察中である.【考察】臨床経過が緩徐で,FDP-PETの集積がなくとも,非典型的な画像所見を呈する症例に対しては,稀ではあるが類上皮性血管内皮腫のような疾患もある事から病理学検索が必須であると考えられた.
索引用語