セッション情報 |
ポスター
HCC-5
|
タイトル |
P-366:胃転移を合併した非B非C肝細胞癌の1例
|
演者 |
樫原 博史(西宮市立中央病院) |
共同演者 |
増田 与也(西宮市立中央病院), 石井 久美子(西宮市立中央病院), 林 典子(西宮市立中央病院), 堀野 次郎(西宮市立中央病院), 大畑 裕之(西宮市立中央病院), 小川 弘之(西宮市立中央病院) |
抄録 |
【症例】78歳,男性【主訴】心窩部不快【現病歴】糖尿病,狭心症で近医通院中,心窩部不快のため,平成24年8月当科紹介となる.上部消化管内視鏡検査で胃体上部大彎の2mm大と5mm大の表面凹凸を伴うpolypoid lesionから,生検で低分化型腺癌を認めた.また,CTで肝右葉横隔膜下を中心に,最大径11cmに及ぶ,多発するhypervasucular tumorを認め,肝細胞癌と診断した.他,肝門部リンパ節に4cmの転移を有していた.胃polypoid lesionの免疫染色では,CK7(-),CK20(-),HepPar1(+)で,低分化型肝細胞癌の胃転移と診断した.初診時の採血では,WBC 5710/μl,RBC 401万/μl,Hb 13.4g/dl,Plt 19.7万/μl,PT 104%,AST 55 IU/L,ALT 75 IU/L,T-bil 0.8 mg/dl,Alb 4.0 g/dl,AFP 981.4 ng/ml,PIVKA-II 4320 MAU/ml,CEA 1.4 ng/ml,HBsAg陰性,HBcAb陰性,HCV陰性で,軽度の肝障害を認めるも,肝硬変の所見はなく,HB,HCVとも陰性で,アルコールは機会飲酒程度であった.【経過】平成24年10月16日と12月18日に2度の肝動脈化学塞栓療法(TACE)を行うも,TACE効果不良のため,平成25年1月24日からソラフェニブの投与を開始した.経過中,門脈本幹内に腫瘍栓の出現を認めているが,7月現在,肝細胞癌の増大はなく,胃転移も軽度増大程度で,外来通院でソラフェニブの投与加療中である.【考察】肝硬変を伴わない非B非C肝細胞癌からの胃転移は極めて稀であり,また,血行性・リンパ行性転移を伴う低分化型の肝細胞癌に,ソラフェニブが有効であったと思われる症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
|