セッション情報 ポスター

HCC-6 ソラフェニブ

タイトル P-372:

進行肝細胞癌患者におけるソラフェニブ血中濃度と免疫動態解析

演者 近藤 泰輝(東北大学病院消化器内科)
共同演者 岩田 朋晃(東北大学病院消化器内科), 木村 修(東北大学病院消化器内科), 諸沢 樹(東北大学病院消化器内科), 藤坂 泰之(東北大学病院消化器内科), 島田 美樹(東北大学病院薬剤部), 小暮 高之(東北大学病院消化器内科), 二宮 匡史(東北大学病院消化器内科), 下瀬川 徹(東北大学病院消化器内科)
抄録 【背景】最近,ソラフェニブが各種免疫細胞に対して影響を及ぼす可能性が報告されているが,詳細は明らかとなっていない.【目的】本研究では,ソラフェニブの腫瘍免疫病態に与える影響について解析する.【方法】当院と関連病院Aにてソラフェニブを投与された患者35名の臨床背景と投与後の臨床データについて検討した.その内,血中濃度測定を施行したのは2011年2月以降の25例であった.ソラフェニブの定量は,200μLの患者血清を用いてHPLC-UV法(検出波長;265 nm)にて行った.ソラフェニブ投与前後4例におけるPBMCのトランスクリプトーム解析を次世代シークエンスにて施行した.免疫細胞はPBMCを用いて,1.CD3,CD4,CD25,CD127,CCR5,CXCR3の同時染色(Tregs,Th1頻度解析),2.CD11b,CD14,CD16,CD33,PD-L1,HLA-DR(Monocytic Myeloid-Derived Suppressor Cells(MoMDSCs解析))の同時染色3.CD3,CD4,CD8,CD56,IL-10,IFN-γの同時染色(CTL,Th1,Th2,NK cell機能解析)を行いFACS-Canto-IIにて解析した.またin vitroにてPBMCと各種肝細胞株との共培養を施行して各種濃度のソラフェニブ存在下にてMDSCs,Tregs分化の影響を解析した.【結果】ソラフェニブ投与後免疫刺激関連遺伝子発現の増加と免疫抑制遺伝子関連の低下が確認された.ソラフェニブ投与後4-8週目においてTregs(CD3+CD4+CD25highIL7R-),MoMDSCs(CD14+CD11b+CD33dimHLA-DRlow)頻度の有意な低下がみられたが(p<0.01),Th1(CD3+CD4+CCR5+CXCR3+)細胞の頻度低下はみられなかった.この変動は,ソラフェニブの血中濃度が上昇している症例にて顕著に認められた.in vitroの検討では2μg/mlソラフェニブ濃度でMDSCsとTregsの分化が有意に誘導された.【結語】ソラフェニブは肝癌細胞治療において今後も重要な位置を占めることが予想されるが,抗腫瘍免疫に対し好ましい影響を与える可能性が示された.
索引用語