セッション情報 ポスター

HCC-6 ソラフェニブ

タイトル P-373:

進行肝細胞癌に対するソラフェニブを基軸とした集学的治療の治療成績

演者 葛谷 貞二(名古屋大学消化器内科)
共同演者 石上 雅敏(名古屋大学消化器内科), 新家 卓郎(名古屋大学消化器内科), 今井 則博(名古屋大学消化器内科), 阿知波 宏一(名古屋大学消化器内科), 荒川 恭宏(名古屋大学消化器内科), 山田 恵一(名古屋大学消化器内科), 中野 聡(名古屋大学消化器内科), 石津 洋二(名古屋大学消化器内科), 本多 隆(名古屋大学消化器内科), 林 和彦(名古屋大学消化器内科), 石川 哲也(名古屋大学消化器内科), 後藤 秀実(名古屋大学消化器内科)
抄録 【目的】ソラフェニブが登場して以来,我々の施設では原則,肝予備能良好な高度進行肝細胞癌に対する治療の第一選択はソラフェニブとしている.その後の経過でソラフェニブ単独の治療効果が不十分であったケースのみばかりではなく,効果が得られているケースにおいてもより治療効果が期待できる場合は他治療への切り替えや組み合わせを考慮している.今回我々は,ソラフェニブ単独投与後に他治療への切り替えや組み合わせを行った症例の現状とその治療成績を検討した.【方法】当院にてソラフェニブを導入した高度進行肝細胞癌107例中,投与直前,2週間後,6週間後に造影CTを撮像した92例を対象とした.平均年齢は67歳,男性78例,女性14例.HCC Stage(3/4A/4B)は34/25/33例.治療効果判定はmRECIST基準にて行った.【成績】他治療単独に切り替えた症例は30例(TACE9例,UFT9例,S-1 5例,肝動注リザーバー2例,放射線治療5例)で,その理由はPD25例,有害事象5例であった.その後の治療効果(PR/SD/PD/判定未)は4/4/17/5例で,TACE2例,肝動注リザーバー2例でPRが得られた.ソラフェニブと他治療との組み合わせの症例は15例(肝切除1例,RFA1例,TACE13例)で,その理由はPD11例,他治療との組み合わせでより強い治療効果が期待できた4例(ソラフェニブ単独でPR1例,SD3例)であった.その後の治療効果(PR/SD/PD)は10/4/1例で,肝切除1例,RFA1例,TACE8例でPRが得られた.ソラフェニブ開始前TACE不応であった22例のうち10例で,再TACEによりPRが得られた.ソラフェニブ単独にてSD以上であったが他治療を組み合わせた4例は現在のところいずれもPRを維持している.【結語】ソラフェニブ単独治療の経過中,より効果の期待できる治療法が選択可能となれば,積極的にそれらの治療への切り替えや組み合わせによって更なる治療成績の向上が期待できると考えられた.
索引用語