セッション情報 ポスター

HCC-6 ソラフェニブ

タイトル P-374:

進行肝細胞癌に対するSorafenibの治療成績

演者 服部 美紀(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科)
共同演者 石井 俊哉(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 清川 博史(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 公文 大輔(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 林 幹人(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 足立 香代(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 根岸 龍二郎(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 野元 雅仁(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 佐藤 明(聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院消化器内科), 伊東 文生(聖マリアンナ医科大学消化器・肝臓内科)
抄録 【目的】当院における進行肝細胞癌に対するSorafenibの治療成績を検討した.【方法】2009年11月から2012年12月までに当院においてSorafenibを投与した肝細胞癌(HCC)症例14例を対象とし,臨床背景,副作用,治療効果,生存期間などについて検討した.【成績】Sorafenibを投与したHCC症例14例は男性13例・女性1例,平均年齢70.6歳(55-81歳),背景肝はCH5例・LC9例,成因はHBV 1例,HCV 10例・Alcohol 2例・AIH 1例であった.ECOG-PSは全例0または1,Child-PughスコアはA5点8例・A6点3例・B7点3例,HCC stageはIII 4例・IVa 1例・IVb 9例,前治療はOPE 2例,TACE 8例,前治療なし4例であった.Sorafenib導入の理由は肝外転移9例(複数回TACE後3例・OPE後2例・前治療なし4例),TACE不応4例(複数回TACE後4例),TACE不能1例(前治療なし・肝内多発・門脈浸潤1例)であった.当院ではSorafenib初回投与量は全例400mgを基本とし問題なければ段階的に増量することにしており,初回投与量は200mg 1例・400mg 13例で,投与期間の中央値は89日(4-1120日・平均227日)であった.副作用では手足症候群5例,高血圧3例,下痢3例はコントロール可能であったが,肝障害1例・薬疹1例・膵炎1例は早期に投与中止となった.治療効果は1ヶ月以上Sorafenibを内服可能であった10例をModified RECISTで評価し,最良治療効果はPR1例・SD5例・PD4例で,奏効率10%,病勢制御率60%であった.全例の生存期間の中央値は156日(39-1151日・平均293日)で,転帰は死亡8例・転院5例・現在投与中1例である.【結論】当院のSorafenib投与例では導入時にHCC stage IVb症例が64.3%(9/14)を占めており,SHARP試験に比べ病勢制御率が低く,生存期間が短い要因と考えられた.SorafenibはLong SDを狙う薬剤として有害事象に注意を払いながら長期に投与継続できるように管理していくことが重要である.
索引用語