セッション情報 ポスター

HCC-6 ソラフェニブ

タイトル P-375:

造影超音波検査による肝細胞癌に対する分子標的治療薬早期治療効果判定の有用性と限界

演者 田中 弘教(兵庫医科大学超音波センター)
共同演者 飯島 尋子(兵庫医科大学超音波センター), 中野 千景(兵庫医科大学超音波センター), 橋本 健二(兵庫医科大学超音波センター), 由利 幸久(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 石井 紀子(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 青木 智子(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 楊 和典(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 石井 昭生(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 高嶋 智之(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 坂井 良行(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 會澤 信弘(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 岩田 一也(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 池田 直人(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 岩田 恵典(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 榎本 平之(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 齋藤 正紀(兵庫医科大学内科学肝胆膵科), 西口 修平(兵庫医科大学内科学肝胆膵科)
抄録 【目的】分子標的治療薬投与後早期の肝細胞癌腫瘍血流パラメータの変化と治療効果を比較し,そのバイオマーカーとしての有用性と問題点を明らかとする.【方法】分子標的薬投与を行った67例の患者のうち,治験や投与30日未満(副作用中止含む),肝外病変のみ,TACE直後など除外した14症例を対象とした.超音波装置はPhilips iu22を使用し,腫瘍部の時間輝度曲線(TIC)を専用解析ソフト(QLAB)で作成,TTP(最高輝度までの到達時間;Time to Peak),Rise Time(急速流入時間;最高輝度値の5%から95%に到達するまでの時間),PI(最高輝度値;Peak Intensity),Wash in Peak(急速流入速度;最高輝度の90%/Rise Time)の変化率をそれぞれ(治療後2週間後値)/(治療前値)で求め,これを治療効果や腫瘍マーカー,生存日数等と比較検討した.【結果】mRECISTによる治療効果はPR2例,SD5例,PD7例であった.SD以上となる判別能をROC解析によりパラメータ毎に検討したところ,AUROCはそれぞれTTP 0.582,Rise time 0.888,PI 0.655,AUC 0.612,Wash in peak 0.837,AFP 0.600,L3 0.655,PIVKA2 0.633とRise timeが最も効果予測に有用であった.治療効果別のRise Time平均値はPR:2.39±0.04,SD:1.23±0.29,PD:0.99±0.15であり,Rise Time増加は生存日数延長とも良好な相関を示した(r=0.696,P=0.008).一方,治験12例,解析導入前など投与前CEUS無10例,早期中止17例,開始直後2例を除いた26例の中でも遠隔転移のみ7例,TACE直後で血流なし4例など12例(46%)は検討不可であった.【結語】造影超音波は肝内に多血病変が肝内に存在する場合,分子標的治療薬の早期効果判定の有用なマーカーとなりうる.
索引用語