セッション情報 | ポスター肝不全・肝移植 |
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タイトル | P-377:当院における成人急性肝不全に対する生体部分肝移植の検討 |
演者 | 小木曽 智美(東京女子医科大学消化器内科) |
共同演者 | 徳重 克年(東京女子医科大学消化器内科), 橋本 悦子(東京女子医科大学消化器内科), 児玉 和久(東京女子医科大学消化器内科), 戸張 真紀(東京女子医科大学消化器内科), 谷合 麻紀子(東京女子医科大学消化器内科), 鳥居 信之(東京女子医科大学消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医科大学消化器内科), 江川 裕人(東京女子医科大学消化器外科), 山本 雅一(東京女子医科大学消化器外科) |
抄録 | 【目的】本邦では急性肝不全に対する治療の選択の1つとして,生体部分肝移植が施行されているが,移植準備・適応,原疾患の再発など問題点も多い.今回当院における急性肝不全の肝移植検討例の臨床像に関して経過を含めて報告する.【方法】当院で1999年-2012年に計8例(男性3例,女性5例,年齢23-65歳)の成人急性肝不全に関して,移植適応委員会で肝移植が検討された.この8例の移植適応と移植施行6例の臨床病理学的検討を行った.【結果】1)今回検討した8例は,1996/2008年の肝移植ガイドラインでは7例(2点以上)/4例(5点以上)が死亡予測となった.1例はうつ病・パニック障害を合併するため適応なしと判断され,もう1例は移植予定日にけいれん発作・血圧低下のため中止となった.2)肝移植施行6例は年齢23-65歳,男性2例・女性4例である.原因疾患は,原因不明劇症肝炎4例(亜急性型3例,急性型1例),ウイルソン病による急性肝不全1例,B型肝炎ウイルスによる亜急性型劇症肝炎1例である.ドナーは,父親3例・妻1例・姉1例・長男1例である.発症から移植までの期間は7-159日,当院入院から移植までの期間は2-139日である.移植成績は,6例中5例が生存.入院から139日目に移植された1例は,術後4か月目に敗血症で死亡した.移植後3年での生存率は80%であった(経過観察中の1例も含む).生存5例のうち4例は原疾患の再発は認めず(術後最長14年観察),1例は原因不明の肝障害を再発したが,内科的な治療でコントロールされて術後6年生存中である.【結論】移植準備中1例が急速な全身状態悪化のため移植に至らなかった.肝移植施行できた症例においては,他の肝疾患の移植成績と遜色ない成績であり,生体部分肝移植は有効な治療法であった.内科医は急性肝不全に対して肝移植準備も並行して治療にあたるべきであり,時期を逸することなく肝移植を決定すべきである. |
索引用語 |