セッション情報 | ポスター肝不全・肝移植 |
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タイトル | P-379:胆嚢炎と劇症型急性肝不全で発症した肝Intravascular large B-cell lymphoma(IVLBCL)の1例 |
演者 | 鈴木 康秋(名寄市立総合病院消化器内科) |
共同演者 | 井尻 学見(名寄市立総合病院消化器内科), 芹川 真哉(名寄市立総合病院消化器内科), 杉山 祥晃(名寄市立総合病院消化器内科), 福田 直也(名寄市立総合病院外科), 中西 喜嗣(名寄市立総合病院外科), 竹林 徹郎(名寄市立総合病院外科) |
抄録 | 【症例】60歳代・男性.発熱,右季肋部~心窩部痛,倦怠感を主訴に初診.心窩部痛に肝を5横指触知し,右季肋部に圧痛を認めた.血液生化学検査では,WBC 19600,Hb 14.4,Plt 11.5万,AST 358,ALT 206,LDH 2511,T-Bil 2.2,γGTP 209,ALP 880,CK 2034,BS 25,CRP 8.4,PT% 49%と,炎症反応の高値,肝胆道系酵素の上昇,LDHとCPK高値,著明な低血糖を認めた.腹部CT・超音波検査では,肝腫大,胆石・胆砂,胆嚢壁肥厚と周囲にeffusionを認め,sonographic Murphy sign陽性であった.HBV,HCVは陰性,AFP,CEA,CA19-9は正常で,肝障害の原因は不明であったが,胆石胆嚢炎で外科入院となり,翌日腹腔鏡下胆摘術を施行した.術後2日目に肝性脳症が出現し,WBC 17100,Hb 13.3 Plt 9.3万,AST 2406,ALT 1403,LDH 3902,T-Bil 5.2,γGTP 292,ALP 885,CK 3012,BS 68,CRP 6.3,PT% 32%と,transaminaseやLDH,ビリルビンの更なる上昇とPTの低下があり,劇症型肝不全と診断し内科転科となった.入院時の可溶性IL2受容体が3540と高値と判明したため,びまん性肝悪性リンパ腫を疑ったが,DICを併発し,肝生検は施行できなかった.ICU管理のもと,ステロイドパルス療法・血漿交換・血液濾過透析などの劇症型肝不全の治療を施行したが,急速に肝不全が増悪し第15病日に死亡した.全身CTではリンパ節腫大を認めず,肝原発悪性リンパ腫を疑い肝necropsyを施行.肝類洞優位にリンパ腫細胞が著明に浸潤しており,肝IVLBCLの診断となった.【考察】IVLBCLはdiffuse large B-cell lymphomaの稀な亜型であり,腫瘍細胞が血管内にとどまり,腫瘤を形成せず増殖するため診断が極めて困難である.本邦81例の集計では,14例(17%)に肝浸潤が報告されているが,本症例のように胆嚢炎と劇症型急性肝不全で発症した肝IVLBCLは極めて稀であり,示唆に富む症例と考え報告した. |
索引用語 |