セッション情報 ポスター

膵癌1

タイトル P-384:

切除不能局所進行膵癌の治療に関する予後因子の検討

演者 松田 耕一郎(富山県立中央病院内科)
共同演者 酒井 明人(富山県立中央病院内科), 野田 八嗣(富山県立中央病院内科)
抄録 【目的】切除不能局所進行膵癌の治療について予後に関する因子につき検討した.【対象】2003年9月~2013年10月まで切除不能局所進行膵癌Stage IVa 92例を対象とした.検討因子は治療内容(化学療法,化学放射線療法),年齢,性別,Performance status(PS),BMI,糖尿病の有無,腫瘍径,局在(頭部,体尾部),腫瘍マーカー(CA19-9),治療完遂の有無とした.化学療法は原則GEM100mg/sqmを原則3投1休で投与,化学放射線療法はGEM 250 mg/sqmを原則3投1休で投与し,この間に計54 Gyの放射線照射を施行した.放射線治療終了後はGEM 1000mg/sqmを原則3投1休で投与し,PDになるまで継続した.経過中に症例の状態により,薬剤の減量・投与間隔を適宜変更して投与した.黄疸や胆管炎出現例は全例胆管ステントで対応した.【結果】化学放射線療法は,73例中70例(95.9%)で完遂可能であり,CR1例,PR11例,SD42例,PD19例であり,奏効率は16.4%(12/73)であった.平均生存期間(MST)は354日で2年生存率は21.9%,3年生存率は12.3%,5年生存率は8.2%であった.化学療法はSD26.3%,PD73.7%であった.平均生存期間(MST)は375日で2年生存率は15.8%,3年生存率は3.7%,5年生存率は0%であった.化学放射線療法と化学療法間での平均生存期間では差は認めなかったが,3年生存率(p=0.38),5年生存率(p=0.2)では生存期間が延長する傾向が見られた.予後に寄与する因子の検討では単変量解析,多変量解析ともに予後を有意に延長させるものはなかった.【結語】切除不能進行膵癌に対するCRTは完遂率も高く,切除不能局所進行膵癌においては有意に予後を改善させる.
索引用語