セッション情報 ポスター

膵癌2

タイトル P-389:

過去のCTを再解析し得た膵癌症例の臨床的検討

演者 安元 真希子(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
共同演者 岡部 義信(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 石田 祐介(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 久能 由記子(久留米大学放射線科), 牛島 知之(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐々木 優(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 倉岡 圭(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 森田 恭代(長田病院内科), 長田 英輔(長田病院内科), 鶴田 修(久留米大学内科学講座消化器内科部門), 佐田 通夫(久留米大学内科学講座消化器内科部門)
抄録 【背景と目的】膵癌の早期発見は未だ困難とされるが,近年では膵管拡張や膵嚢胞をターゲットとした膵癌スクリーニングの報告も散見されている.今回,当院を受診した膵癌症例中,過去数年内に腹部CTが施行されていた症例の患者背景とCT所見の再検討を行った.【対象と方法】2012年1月~2013年9月の間,2医療機関を受診した膵癌85例中,過去数年内のCT画像を入手できた6例を対象とし,1)膵癌診断時の発見契機・臨床病期,2)過去CT施行の契機,3)過去CT施行日から膵癌診断CT日までの期間,4)過去CTの見直し所見,の項目について検討した.【結果】1)平均年齢79.8歳,男性3例,女性3例.発見契機は,腹痛精査2例,他疾患の経過観察中4例であった.病変の局在は,頭部3例/体尾部3例で,腫瘍径TS 1/2/4:3/2/1,stage III/IVa/IVb:2/1/3であった.2)過去CT施行の契機は,膵嚢胞精査1例,腹痛精査1例,肝機能異常精査1例,急性膵炎発症1例,肺癌術後経過観察中1例,肝癌治療後経過観察中1例であった.3)過去CT施行から膵癌診断CTまでの平均期間は483.7日(193日-1090日)であった.4)過去CT所見の見直しでは,嚢胞性病変1例,主膵管軽度拡張1例,主膵管軽度拡張とその周囲の小嚢胞3例,所見無し1例であった.【考察と結語】今回の検討では,過去のCTから膵癌発見まで,平均約15ヶ月経ていることが示された.偶然のスクリーニングCTで発見された小嚢胞や軽度の膵管拡張所見は,しばしばpartial volume effectや高度な膵萎縮の影響で明瞭に描出し難いこともある.再構築CT画像の作成や他精査の組み合わせを行うことが,膵癌の早期発見につながる可能性が示唆された.
索引用語