セッション情報 | ポスター膵癌3 |
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タイトル | P-390:Virtual Touch Quantification(VTQ)による膵管癌の診断 |
演者 | 斧山 巧(鳥取大学消化器内科) |
共同演者 | 孝田 雅彦(鳥取大学消化器内科), 川田 壮一郎(鳥取大学消化器内科), 藤瀬 幸(鳥取大学消化器内科), 松本 和也(鳥取大学消化器内科), 河口 剛一郎(鳥取大学消化器内科), 原田 賢一(鳥取大学消化器内科), 八島 一夫(鳥取大学消化器内科), 村脇 義和(鳥取大学消化器内科) |
抄録 | 【背景】VTQは音響放射圧(Acoustic Radiation Force Impulse)を用いて組織に生じた剪断弾性波速度(shear wave velocity:SWV)を測定することにより,組織硬度を定量化する方法である.膵では慢性膵炎で正常膵と比較しSWVが高値であることが報告されている.また,甲状腺癌,乳癌,肝細胞癌などの癌でSWVが高値であることが報告されているが,膵癌での検討の報告はない.今回,膵癌症例において腫瘍部と背景膵のSWVを比較した.【対象と方法】対象は,2012年9月から2013年8月までに当院を受診した浸潤性膵管癌20例(頭部11例,体部6例,尾部3例),男女比10:10,平均年齢69.4歳(48~83歳),慢性膵炎併存症例は認めなかった.SWVはACUSON S2000(Siemens社)を用いて,Bモードで観察下にROI(5mm×5mm)を設定した.1箇所につき5回計測し,最大値と最小値を除いた値の平均値を求めた.腫瘍部と背景膵のSWVを測定し,比較した.【結果】膵頭部癌症例で2例腫瘍が描出できず,測定可能症例は9例であった.背景膵は全例頭部,体部,尾部のSWVを測定し得た.腫瘍部のSWVは2.40±2.03m/s,全背景膵組織のSWVは1.43±1.39m/sと腫瘍部で有意に高値であった(P=0.0001).腫瘍の部位別に比較したところ,各部位における腫瘍部・近傍背景膵のSWVはそれぞれ,膵頭部2.73±2.26m/s,1.61±1.21m/s,膵体部1.92±1.07m/s,1.16±0.26m/s,膵尾部2.36±2.60m/s,1.06±0.74m/sで腫瘍部間のSWVには有意差を認めなかった.また,腫瘍部と近傍背景膵間のSWVの比較では膵頭部癌,膵体部癌でそれぞれP=0.0079,P=0.0236で有意差を認め,膵尾部癌と膵尾部背景膵間の比較でも腫瘍部のSWVが高値の傾向であったが腫瘍部との有意差を認めず,症例数が少数であったためと考えられた.【結論】浸潤性膵管癌において,背景膵に比べてSWVは高値であり,他臓器の癌と同様の結果であった.今後慢性膵炎合併例において検討が必要である. |
索引用語 |