セッション情報 ポスター

膵癌3

タイトル P-391:

当科における多発性内分泌腫瘍症(MEN)1型に伴う膵神経内分泌腫瘍(pNET)5例の検討

演者 片桐 宗利(東北大学消化器外科学)
共同演者 森川 孝則(東北大学消化器外科学), 薮内 伸一(東北大学消化器外科学), 唐澤 秀明(東北大学生体調節外科学), 坂田 直昭(東北大学消化器外科学), 水間 正道(東北大学消化器外科学), 深瀬 耕二(東北大学消化器外科学), 青木 豪(東北大学消化器外科学), 川口 桂(東北大学消化器外科学), 武者 宏昭(東北大学生体調節外科学), 中川 圭(東北大学消化器外科学), 岡田 恭穂(東北大学消化器外科学), 林 洋毅(東北大学消化器外科学), 吉田 寛(東北大学消化器外科学), 元井 冬彦(東北大学消化器外科学), 内藤 剛(東北大学生体調節外科学), 片寄 友(東北大学統合がん治療外科学), 柴田 近(東北大学生体調節外科学), 江川 新一(東北大学災害医療国際協力学), 海野 倫明(東北大学消化器外科学)
抄録 【背景】多発性内分泌腫瘍症(MEN)1型は副甲状腺過形成,膵胃十二指腸神経内分泌腫瘍,下垂体腫瘍,副腎過形成,胸腺神経内分泌腫瘍などを生じる常染色体優性遺伝性疾患である.また膵胃十二指腸神経内分泌腫瘍はMEN1型患者の50~80%に発生し,ガストリノーマやインスリノーマが多いとされている.今回MEN1型に伴うガストリノーマ症例に対し膵全摘術を行った症例を経験したので,当科におけるMEN1型膵神経内分泌腫瘍(pNET)5例の検討を報告する.【目的】MEN1型に伴うpNET患者の現状について検討する.【方法】2009年から2012年にMEN1型に伴うpNETと診断された症例5例について腫瘍の種類,悪性度について検討した.【結果】男性2例,女性3例.年齢の中央値52(28-67)歳,ガストリノーマ4例,インスリノーマ1例であった.pNETは単発2例,多発3例.術式は膵頭十二指腸切除術2例,膵体尾部切除術2例,膵全摘術1例.WHO分類ではNETG1が2例,G2が3例であり,リンパ節転移は2例で陽性であった.血行性転移を認めた症例はないものの,2例で残膵再発を認めた.うち1例はリンパ節転移陽性例であった.【結論】MEN1型患者の神経内分泌腫瘍で最も多く発生するのはガストリノーマといわれており,約40%といわれている.MEN1型患者に発生するガストリノーマは悪性度が高いといわれ,十二指腸ガストリノーマにおいてリンパ節転移陽性率は60%以上,膵ガストリノーマにおいては肝転移率,リンパ節転移率60%以上と言われている.当科での5例では肝転移などの遠隔転移例はなかったものの,リンパ節転移陽性例や残膵再発例がみられ,それらはいずれもガストリノーマであった.よってガストリノーマは悪性度が高い事が考えられる.検討に文献的考察も加えて報告する.
索引用語