セッション情報 ポスター

膵癌3

タイトル P-409:

当院における膵嚢胞性病変のスクリーニングの現状

演者 佐藤 貴弘(東明会原田病院消化器外科)
共同演者 林 信一(東明会原田病院消化器外科), 清水 秀之(東明会原田病院消化器外科), 原田 佳明(東明会原田病院消化器外科), 原田 雅義(東明会原田病院消化器外科), 佃 俊二(東明会原田病院放射線科), 山口 茂樹(埼玉医科大学国際医療センター), 小山 勇(埼玉医科大学国際医療センター)
抄録 【はじめに】近年,IPMNの概念が定着しつつあり,これまで画像上Retension Cystとして処理されてきた症例の中にも厳重なfollowを要する膵病変が存在する.今回,中小規模病院である当院における膵嚢胞性病変のスクリーニングの現状について検討した.【対象と方法】2008年4月から2013年9月までに当院でCT,MRI,MRCPで膵嚢胞性病変と指摘された145例を対象とした.男女比=71/74.年齢35-100歳(平均77歳).【結果】85%が腹部症状・貧血・腫瘍マーカーの上昇などの精査目的にて画像診断を行い,膵嚢胞性病変ありと指摘されていた.残りの症例は肺炎・熱源精査などの胸部疾患のスクリーニング目的の胸部CT検査にて偶然に発見された.拾い上げに有効であった画像診断はCT単独では70%で,残りの30%はCTとMRCPが併施されていた.38例がIPMNと診断され,divism6例,急性膵炎が3例で,残りの症例は単純性嚢胞のみだった.単純性嚢胞の大きさは2-48mm(平均12mm)で,経時的に増大した症例は認められなかった.一方,IPMNの占拠部位は頭部20例,鉤部2例,体部13例,尾部2例,全体型1例であり,形態的には主膵管型10例,分枝型26例,混合型2例となっていた.腫瘍径は6-100mm(平均23mm)であった.その内3例が悪性所見を伴っていたため,診断確定から比較的早期に膵頭十二指腸切除術が施行されていた(紹介先病院にて).【まとめ】膵嚢胞性病変の中には偶然に発見される症例が多数あり,当然のことながらCT,MRIの読影は慎重に行わなくてはいけない.
索引用語