セッション情報 ポスター

腫瘍-1

タイトル P-395:

当院における癌性腹水に対する腹水濾過濃縮再静注療法の臨床的検討

演者 佐藤 慎哉(ベルランド総合病院消化器内科)
共同演者 三谷 誠一郎(ベルランド総合病院消化器内科), 廣瀬 哲(ベルランド総合病院消化器内科), 大倉 康志(ベルランド総合病院消化器内科), 伯耆 徳之(ベルランド総合病院消化器内科), 安 辰一(ベルランド総合病院消化器内科)
抄録 【背景】癌性腹水が大量になると患者は入院治療を希望される場合が多い.一方,腹水濾過濃縮再静注療法(以下CART)は一度に大量の腹水ドレナージが可能で患者の自覚症状改善が見込める.今回我々は大量癌性腹水に対するCARTの有用性および安全性を検討した.【方法】当院において2009年1月から2013年3月までの間に癌性腹水に対してCARTを施行した患者55例を対象として検討した.【結果】平均年齢は68.2歳,男性:女性は39:16,原疾患は胃癌15例,膵癌15例,大腸癌13例,卵巣癌3例,胆嚢癌1例,胆管癌5例,乳癌2例,上顎癌1例であった.1回あたりの除水量(中央値)は4.4L,濃縮後液量(中央値)は0.44Lであった.平均施行回数は2.14回,平均施行間隔は19.7日であった.1回目のCART導入前後のAlb,BUN,Creの変化は2.60→2.68g/dl(p=0.57),27.5→29.0mg/dl(p=0.88),1.09→1.05mg/dl(p=0.16)であった.38℃未満の発熱を20例(36.4%)に認めたが重篤な有害事象は認めなかった.CART導入後の生存期間中央値は36日であった.腹部膨満感の改善は50例(90.9%)で食事量が上昇したのは38例(69.1%)であった.内,24例(43.6%)で退院に至った.退院できた患者の平均在宅日数は12.2日であった.【まとめ】癌性腹水を大量に有する患者にCARTを施行することで在宅療養の可能性が拡げられることを示唆された.
索引用語