セッション情報 ポスター

腫瘍-2

タイトル P-399:

当院における切除不能消化管・膵神経内分泌癌の治療経験

演者 垣内 伸之(大津赤十字病院消化器科)
共同演者 小澤 智美(大津赤十字病院消化器科), 松本 慎平(大津赤十字病院消化器科), 内海 貴裕(大津赤十字病院消化器科), 松本 淳(大津赤十字病院消化器科), 森 義治(大津赤十字病院消化器科), 大野 千景(大津赤十字病院消化器科), 曽我部 裕子(大津赤十字病院消化器科), 稗田 信弘(大津赤十字病院消化器科), 西田 吉宏(大津赤十字病院消化器科), 三上 貴生(大津赤十字病院消化器科), 松永 康寛(大津赤十字病院消化器科), 友野 輝子(大津赤十字病院消化器科), 本庶 元(大津赤十字病院消化器科), 近藤 雅彦(大津赤十字病院消化器科), 西川 浩史(大津赤十字病院消化器科), 三宅 直樹(大津赤十字病院消化器科), 河南 智晴(大津赤十字病院消化器科)
抄録 【目的】神経内分泌癌(neuroendocrine carcinoma:NEC)は低分化型の神経内分泌腫瘍で悪性度が高く予後不良である.NECの化学療法は肺小細胞癌に準じて行われることが多いがコンセンサスは得られていない.そこで当院における手術不能消化管・膵NEC症例の特徴を明らかにすることを目的として検討した.【方法】2006年4月から2013年8月までの間に当院で診断・治療した消化管・膵神経内分泌癌の6症例について検討を行った.【結果】年齢は中央値60(41~75)才,性別は男女比5:1で,原発巣は食道1例,胃1例,十二指腸1例,膵1例,大腸2例であった.組織型は全例NEC(small cell type)であった.adenoma,adenocarcinomaとの併存例は2例で,それぞれ原発巣は十二指腸と胃でありMANEC(mixed adenoneuroendocrine carcinoma)と考えられた.免疫染色では,シナプトフィジンは全例で陽性,クロモグラニンAは5例で陽性,Ki-67 indexは50~70%であった.診断時に遠隔転移を伴っていた症例は4例あった.遠隔転移のない症例では原発巣での癌の取り扱いに準じて治療方針を検討し手術不能と判断された.全治療を通して行われた化学療法はCDDP+VP-16 4例,CDDP+CPT-11 3例,エベロリムス2例,XELOX+ベバシズマブ1例(大腸NEC),XP+トラスツマブ1例(胃MANEC),CPT-11 1例,アムルビシン1例であった.奏功した化学療法はCDDP+VP-16 2例,CDDP+CPT-11 2例,XP+HER 1例であった.3rd line以降の化学療法を行ったのは3例で奏功した症例はなかった.予後は,死亡した4例で生存期間中央値270(121~420)日であった.生存中の2例は現在も化学療法を行っている.【結論】神経内分泌癌は進行がはやく予後不良であるが,NECの化学療法は肺小細胞癌に準じた治療が奏功する可能性が高く,MANECは原発臓器の化学療法も有効である可能性が示唆された.
索引用語