セッション情報 | ポスター腫瘍-2 |
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タイトル | P-400:CEA高値を契機に発見した腸間膜原発腹膜偽粘液腫の1例 |
演者 | 吉田 はるか(国立病院機構仙台医療センター消化器内科) |
共同演者 | 木村 憲治(国立病院機構仙台医療センター消化器内科), 杉村 美華子(国立病院機構仙台医療センター消化器内科), 岩渕 正広(国立病院機構仙台医療センター消化器内科), 鵜飼 克明(国立病院機構仙台医療センター消化器内科), 田所 慶一(国立病院機構仙台医療センター消化器内科), 大島 有紀子(同外科), 鈴木 博義(同臨床検査科) |
抄録 | 【はじめに】腹膜偽粘液腫は腹腔内に広範囲にゼラチン様物質が貯留する疾患で,原発巣は虫垂や卵巣が多いとされている.今回われわれは,腫瘍マーカーCEA上昇を機に発見した腸間膜原発腹膜偽粘液腫の1例を報告する.【症例】41歳男性.【主訴】特になし.【既往歴】17歳虫垂炎手術.22歳時胃潰瘍.【現病歴】平成21年8月前医での腫瘍マーカーCEA 5.9ng/mlと高値であり,10月人間ドックで便潜血陽性を指摘された.平成22年1月以降の全大腸内視鏡検査(TCS)では大腸ポリープや回腸末端の多発潰瘍を認めたが,切除した大腸ポリープや回腸生検からは明らかな悪性所見を認めず.CEAは平成25年1月には17.3ng/mlまで上昇した.2月にFDG-PETを行ったところ,少量の腹水の他右腎下極レベルの後腹膜腔にFGD集積を伴わない4cm大の嚢胞性病変を認め,精査加療目的に当科紹介となった.【経過】紹介時CEA 37.0ng/ml.後腹膜腔の嚢胞性病変はCT,MRIでは嚢胞壁に石灰化や軽度造影増強効果を伴っていた.また腹側の嚢胞壁が不明瞭であることから自然破裂した可能性も考えられた.血管造影検査では,この嚢胞性病変は上腸間膜動脈の支配を受けており,腸間膜由来の腫瘍と考えられた.7月に診断的治療目的に腹腔鏡検査を行ったところ,結腸間膜に4cm大の嚢胞性病変があり,一部白色の充実成分を認めた.また多数の腹壁結節や腹膜結節,ゼラチン状の腹水貯留も認め,腹膜偽粘液腫が疑われた.根治的切除困難であり,嚢胞壁,腹膜結節,腹水を採取した.病理検査では嚢胞壁の細胞内に粘液を有する高円柱上皮を認め,軽度核腫大も認めた.N/C比は低く細胞の極性が保たれており,粘液嚢胞腺腫による腹膜偽粘液腫と診断した.【結語】本症例は虫垂切除後であり,術中所見と総合し腸間膜原発と診断した.腸間膜原発腹膜偽粘液腫の報告例は極めて少なく,貴重な症例と考えられたので報告した. |
索引用語 |