セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
バルーン内視鏡が変えた診断・治療学
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タイトル |
内W18-2:バルーン内視鏡を使用した小腸ポリープ切除術と受動彎曲機能付きシングルバルーン小腸内視鏡の使用経験
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演者 |
細江 直樹(慶應義塾大・内視鏡センター) |
共同演者 |
今枝 博之(埼玉医大・総合診療内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター) |
抄録 |
【背景、目的】Peutz-Jeghers症候群などの小腸ポリープに対するバルーン内視鏡を使用した内視鏡的ポリープ切除術の有用性が報告されているが、それらの処置を安全に行う工夫は少ない。一方、大腸ポリープに対しては、ポリープ茎部の一部分にスネアリング前にクリッピングを行い、そのクリップを足掛かりに、切除面にクリッピング、もしくは留置スネアを追加して行うアンカークリップ法が考案されている。今回、バルーン内視鏡を使用した内視鏡的小腸ポリープ切除術におけるアンカークリップ法の有用性を検討する。また受動彎曲機能付きシングルバルーン小腸内視鏡の使用経験もあわせて報告する【対象と方法】2005年11月より2011年12月までにバルーン内視鏡を使用した内視鏡的小腸ポリープ切除術12例17回を対象とする。アンカークリップ施行群(以後AC群と記載)10回、非施行群(以後non-AC群と記載)7回に分類し、その有用性を後ろ向きに検討する。また、受動彎曲機能付きシングルバルーン小腸内視鏡の使用経験についても報告する。【結果】使用小腸内視鏡はダブルバルーン小腸鏡10回、シングルバルーン7回であった。切除ポリープの病理組織は過誤腫性ポリープ(Peutz-Jeghers症候群を含む)27個、過形成性ポリープ2個、脂肪腫1個、pyogenic granuloma1個であった。切除ポリープ径はAC群、平均31mmnon-AC群、平均27.6mm一回のポリープ切除個数はAC群、平均1.8個、non-AC群、平均1.8個と両群に差は認められなかった。AC群で1例後出血を認めた。non-AC群で一例、術中に噴出性出血を認め、クリップ止血を行った。AC群では出血は少量で良好な視野で追加の処置を行うことができた。【結論】内視鏡的小腸ポリープ切除にアンカークリップを用いることで、術中出血を抑制することが示唆された。受動彎曲機能付きシングルバルーン小腸内視鏡の使用経験についても当日報告したい。 |
索引用語 |
バルーン内視鏡, ポリペクトミー |