セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
バルーン内視鏡が変えた診断・治療学
|
タイトル |
内W18-3:ダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いたクローン病の小腸病変の評価と小腸狭窄に対するバルーン拡張術の有用性
|
演者 |
山田 弘志(名古屋大大学院・消化器内科学) |
共同演者 |
大宮 直木(名古屋大大学院・消化器内科学), 後藤 秀実(名古屋大大学院・消化器内科学DELIMITER名古屋大附属病院・光学医療診療部) |
抄録 |
【目的】DBEを用いた小腸クローン病の術後腸管の評価および深部小腸狭窄に対するEBDの有効性を検討する。【方法】2003年6月~2011年12月にDBEを施行したクローン病80例中術後吻合部を観察できた46例(男女比38:8、平均年齢36.6歳、当院初回入院時までの平均罹病期間9.2年、平均手術回数1.4回)。吻合部病変はRutgeertsの分類に準じて評価した。また、小腸狭窄で腸閉塞を来した28例(男女比21:7、平均年齢38.6歳、平均罹病期間8.3年、狭窄は吻合部11例・一次病変9例・両者8例)に対しDBE下EBDを施行した(平均拡張病変数1.8、平均DBE検査数1.9回)。【結果】術後吻合部を観察した46例に対し、のべ128回のDBEを施行し計150病変を観察した。DBE観察時、腹部症状のなかった57病変と腹部症状のあった93病変に分けたところで腹部症状はGrade4で有意に多かった(P<0.0001)。また、全150病変をGrade4の狭窄病変53例とGrade 0~3の非狭窄病変97例の2群に分け解析したところ、免疫調節剤投与群(P=0.011)、Infliximabの維持投与有り(P=0.011)で有意にGrade4の狭窄病変が多かった。DBE下EBDの拡張病変数はのべ64病変、平均狭窄長9.9mm、平均狭窄径4.1mm、拡張部位は空腸(上部/中部/下部)ではそれぞれ1/7/9(病変)で回腸(上部/中部/下部)で3/19/21(病変)。予後解析(観察期間中央値:56ヶ月)では累積非症状再燃率は12ヶ月で17/28例(61%)、48ヶ月で6/28例(21%)。繰り返しEBDを行うことで、累積手術回避率は12ヶ月で20/28例(71%)、48ヶ月で16/28例(57%)。 【結論】DBEはクローン病小腸吻合部の正確な診断が可能で術後早期の評価が必要と考えられた。クローン病の小腸狭窄に対するDBE下EBDは手術を回避する手段として有効であった。 |
索引用語 |
クローン病, ダブルバルーン内視鏡 |