セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
バルーン内視鏡が変えた診断・治療学
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タイトル |
内W18-6:大腸挿入困難例に対するダブルバルーン内視鏡を使用した原因探索と有用性
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演者 |
黒河 聖(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)) |
共同演者 |
小澤 広(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)), 道上 篤(札幌厚生病院・1消化器科(胃腸科)) |
抄録 |
目的:通常の大腸内視鏡検査では盲腸まで到達できない例は10%前後と報告されている.また,盲腸は病変の好発部位でもあり観察精査を要する.大腸内視鏡検査で盲腸まで到達できない大腸挿入困難例に対して,ダブルバルーン内視鏡(DBE)を使用すれば,ほぼ確実に盲腸まで到達できる.深部大腸挿入不可能な症例に対してDBEを使用して全大腸観察を可能とし,その挿入困難原因を検討し,深部大腸における治療を要する病変の有無を確認する.対照:当院ではDBEを2004年4月から導入し,2011年12月まで597回(392例)施行している.DBE施行例において当院,他施設で盲腸まで大腸挿入できなかった症例89例を対照とした.方法:DBEを使用して盲腸まで到達するまで,X線透視下での挿入困難原因を明確とし,全大腸観察可能後,深部大腸における治療を要する病変有無を調べる.結果:全例(100%)DBEにて盲腸まで到達可能であった.症例の平均年齢は65.7歳.性別は1:1.35.腹部手術歴は43.1%.平均盲腸到達時間は17.7分.X線透視使用による挿入困難の原因として,腸管過長57例(64%),腸管癒着28例(31.5%),腸管過長と癒着合併4例(4.5%)であった.深部大腸で治療を要する病変を発見した症例は5例(5.6%)であり,全例DBEにて内視鏡治療可能であった.考察:通常大腸内視鏡検査において施行者の技術レベルの問題もあるが,盲腸まで到達不可能な大腸挿入困難例も存在する.挿入困難例の中でも腸管過長症,腸管癒着症例においては,DBEは苦痛が少ない確実な検査方法である.またDBEにより深部大腸の病変発見が可能となり,治療においても有効な検査方法であった. |
索引用語 |
大腸挿入困難例, ダブルバルーン内視鏡 |