セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
バルーン内視鏡が変えた診断・治療学
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タイトル |
内W18-8追:非熟練者でもできる!挿入困難例に対するダブルバルーン大腸内視鏡検査(第2報)
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演者 |
根本 大樹(福島県立医大・会津医療センター準備室(小腸・大腸・肛門科)) |
共同演者 |
冨樫 一智(福島県立医大・会津医療センター準備室(小腸・大腸・肛門科)), 矢野 智則(自治医大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】大腸内視鏡挿入困難例は、専門病院の熟練内視鏡医が検査を行うことが一般的であるが、熟練内視鏡医の数は限られており、地理的にも偏在がみられる。一方、ダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いた大腸内視鏡検査(DBC)は、挿入困難例に対して有用であることが報告されてきた。しかし、挿入困難例に対するDBCが、非熟練者でも有効であることを実証した報告はない。挿入困難例に対するDBCの、非熟練者における有用性を検討して報告する。【方法】2011年6月から2012年2月までの期間に、大腸内視鏡挿入困難であった15名(男7、女8、年齢中央値78歳)を対象とした。困難理由は、過長症11例、癒着2例、疼痛2例であった。DBC施行医は、卒後3年目の医師(2011年6月時点の大腸内視鏡経験数46例、盲腸到達率約70%;ダブルバルーン小腸鏡介助経験数8例)とした。DBE(EN-450T5/W)を用い、レントゲン透視下に炭酸ガス送気装置を併用し、熟練者の指導のもとに検査を実施した。原則として検査前にオピスタンを静脈内投与した。盲腸到達率・盲腸到達時間・オピスタンの投与量・検査中の苦痛度・偶発症の有無を指標として検討した。苦痛度は、visual analogue scale (VAS)により10段階で評価した。【成績】全例で盲腸へ到達し、到達時間は、中央値19分12秒(最短10分57秒、最長66分1秒)であった。オピスタン追加投与例はなかった。苦痛度は、VAS中央値3.5/10、最小0/10、最大5/10であった。前回検査との比較では、全例で前回よりも苦痛度は低かった。偶発症はなかった。【結論】大腸内視鏡挿入困難例に対して、DBEを用いれば、非熟練者でも、全例で盲腸への到達が可能であった。このことは、人的・時間的労力を削減できるものだけでなく、熟練内視鏡医の偏在に伴う問題も軽減できる可能性があると考えられた。 |
索引用語 |
double balloon colonoscopy, incomplete colonoscopy |