セッション情報 ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

バルーン内視鏡が変えた診断・治療学

タイトル 消W18-9追:

改良型シングルバルーンオーバーチューブST-Y0001-2C1を用いた内視鏡処置

演者 大圃 研(NTT東日本関東病院・消化器内科)
共同演者 木庭 郁郎(山鹿中央病院・消化器科), 大谷 友彦(東京慈恵会医大・内視鏡科)
抄録 【背景と目的】消化管内視鏡処置において最も重要な事は安定したスコープの操作性を確保することである。我々は小腸内視鏡用のシングルバルーンオーバーチューブ(ST-SB1:長さ1320mm内径11mmオリンパス)を長さ690mmと短縮し、口径を12.2mmと大口径化したオリンパス社の試作品(ST-Y0001-2C1)を使用する機会を得たので、その使用法と有用性を報告する。【対象】スコープ操作不安定な1)大腸ESD193例、2)大腸ポリープ切除4例、3)十二指腸ESD1例、4)深部大腸に10mm以上のポリープが多発した症例に対する効率的な病変回収4例。【方法】1)2)病変の肛側でバルーンを拡張しST-Y0001-2C1を固定し肛門側にテンションを保持することで、S状結腸のたわみや横行結腸のパラドキシカルムーブメントを抑えてESDやポリープ切除を行った。3)十二指腸の球部でバルーンを固定して処置を行った。4)深部大腸までPCF-Q260AIとST-Y0001-2C1を挿入する。対象病変肛門側でバルーンを拡張し固定、病変を切除、ST-Y0001-2C1はそのまま固定を保持し、検体を把持してスコープごと抜去し標本の回収をする。再度ST-Y0001-2C1を通してスコープを挿入し、次の病変部位までST-Y0001-2C1とスコープを抜去して次の対象病変の肛門側で再び固定する。この操作を口側病変から繰り返して複数の病変を一回の検査で切除した。【成績】1)193例の局在はC45A84T57D5S2であり、一括切除率98.9%平均標本径44.2mm平均腫瘍径33.9mm術時間70.5分穿孔率6.2%であった。2)通常内視鏡処置ではスコープの保持不可能な4病変を容易に切除できた。3)スコープが胃内でたわむ事無く、ESD施行し一括切除可能であった。4)S状結腸をST-Y0001-2C1を用いて直線化保持可能であり、深部大腸までスコープの再挿入を容易に反復でき、一回の検査で全病変の切除が可能だった。【まとめ】ST-Y0001-2C1を使用し、安定した操作性が確保困難な場合にもの操作性が確保可能であり、使用に伴う偶発症は認めなかった。
索引用語 バルーン内視鏡, ESD