セッション情報 |
ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
バルーン内視鏡が変えた診断・治療学
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タイトル |
消W18-11:バルーン内視鏡を用いたadvanced endoscopic therapyの検討
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演者 |
島谷 昌明(関西医大・3内科) |
共同演者 |
高岡 亮(関西医大・3内科), 岡崎 和一(関西医大・3内科) |
抄録 |
【背景】ダブルバルーン内視鏡(DBE)は小腸疾患の診断・治療を目的に開発され、小腸疾患の診断・治療の有用性が多数報告されているが、DBEの功績は小腸疾患のみでなく、大腸・胆膵疾患症例に対する内視鏡的アプローチも可能とした。【目的】今回、DBEを用いた内視鏡治療ついて検討する。【対象】対象は2006年2月~2012年2月までDBEを施行した495例955件のうち1) 大腸挿入困難例:36例49件、2) イレウス症例: 6例6件、3) 小腸狭窄症例:5例13件、4) 術後再建腸管例における胆膵内視鏡治療(DB-ERCP):220例386件である。【方法】1) 大腸挿入困難例は、熟練者がTotal Colonoscopy困難であった症例とし、内視鏡通過不能な狭窄例は除外した。2) イレウス管ガイド下に経口的DBEを施行した。3) 悪性小腸狭窄に対してメタリックステント留置、良性小腸狭窄に対して拡張術を施行した。4) 通常の内視鏡ではERCP困難症例に対しDB-ERCPを施行した。【成績】1) 大腸挿入困難例のTotal Colonoscopy成功率は100%(49/49)であった。2) イレウス管ガイド下経口的DBE挿入は83.3%(5/6)で可能であった。3) 金属ステント留置(1/1)および拡張術(12/12)の成功率は共に100%であった。4) 再建術式の内訳は、Roux-en-Y再建法(R):116例200件、Billroth II再建法(B):51例80件、PDIIa(PD):23例51件、PpPD(Pp) :19例36件、その他:11例19件であった。DB-ERCP完遂率はR:189/200件(94.5%)、B:75/80件(93.8%)、PD: 45/51件(88.2%)、Pp: 31/36件(86.1%)であった。【まとめ】1) short DBEを用いることで、Total Colonoscopyは全例で可能であった。2) イレウス症例に対するイレウス管ガイド下経口DBEは試みても良い方法の1つと考えられた。3) 術後再建腸管症例に対する内視鏡治療は低侵襲という点から臨床的意義は大きい。2011年6月にはFUJIFILM社より十二指腸用のスコープとして薬事承認を得たshort DBE(EC-530B)も発売となり今後需要が増えることが予想されるが、今後更なる処置具の開発や内視鏡システムの改良が必要であると考えられた。 |
索引用語 |
DBE, ERCP |