セッション情報 ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

バルーン内視鏡が変えた診断・治療学

タイトル 内W18-13:

術後腸管に対するERCPにおけるダブルバルーン内視鏡の有用性の検討

演者 水野 浩志(仙台厚生病院・消化器内科)
共同演者 松田 知己(仙台厚生病院・消化器内科), 長南 明道(仙台厚生病院・消化器内科)
抄録 【目的】Billroth-II(B-II)やRoux-en-Y(R-Y)などの術後再建腸管におけるERCPは、吻合部からの距離、屈曲や術後の癒着のため従来困難とされてきた。しかしこれらの症例に対するバルーン内視鏡(BE)を用いたERCPの有用性が報告されている。当院でも近年症例が増加傾向にあり、診断あるいは治療を完遂するために種々の工夫をしている。今回われわれは、術後腸管に対して当院にてダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いてERCP(DB-ERCP)を施行した症例にてその有用性と今後の課題を検討した。【対象と方法】2006年7月から2012年3月までの間に当科にてDBEを用いたERCPを施行した62症例において、胆管開口部到達率、選択的胆管カニュレーションの成否、内視鏡的治療の成否について検討した。【結果】腸管再建術式はB-II 11例、R-Y 32例、Child変法(膵頭十二指腸切除術) 7例、胆管空腸吻合術 12例。DB-ERCP初回施行契機は胆管結石症疑いが47例、胆管狭窄が7例、腫瘍性病変の疑いが6例、胆管ステント抜去目的が1例、胆管空腸縫合不全におけるERBD目的が1例。十二指腸乳頭または胆管空腸吻合部までの到達率は94%(58/62)、胆管への選択カニュレーション成功率は88%(51/58)、内視鏡的治療が必要と判断された際の最終的な治療成功率は90%(35/39)であった(目標達成のため複数回の内視鏡アプローチを施行したものも含む)。【結論】DB-ERCPは有用である。当院でのDB-ERCPの際に行っている工夫と今後の課題とを併せて報告する。
索引用語 バルーン内視鏡, ERCP