セッション情報 ワークショップ18(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)

バルーン内視鏡が変えた診断・治療学

タイトル 内W18-14:

Roux-en-Y法再建例に対する小腸バルーン内視鏡を用いた胆膵内視鏡治療

演者 石井 健太郎(東京医大・消化器内科)
共同演者 糸井 隆夫(東京医大・消化器内科), 森安 史典(東京医大・消化器内科)
抄録 【目的】近年登場したダブルバルーン内視鏡(DBE)やシングルバルーン内視鏡(SBE)は従来挿入困難とされてきたRoux-en-Y法(R-Y)を初めとした術後腸管再建症例に対する内視鏡治療を可能とし,これまで多くの報告がなされている.しかし、実際の胆膵内視鏡治療においては現在のスコープおよび処置具は必ずしも十分とは言えず成功率を高めるためには更なる工夫とテクニックが必要とされる。今回我々は特にR-Y再建例における小腸バルーン内視鏡を用いた胆膵内視鏡治療の実際を当科の成績と合わせ動画で供覧する.【方法】対象はこれまで当科で小腸バルーン内視鏡を用いて胆膵内視鏡治療行ったR-Y再建症例は60例(処置回数66件)で,うち胃全摘または亜全摘+R-Y症例が51例(処置回数55件),胆管空腸吻合術(胃切除なし)+R-Y症例が9例(処置回数11件)である.処置目的は切石54件,胆道ドレナージ11件,膵嚢胞ドレナージ1件であった.挿入についてDBE使用件数は胃全摘または亜全摘+R-Y症例10件(うちshort type 5件)のみで,残り56件はSBEであった.各々処置内容はEST 12件,EPBD 12件,ESLBD 30件,EML 6件,EBD(ENBD/EMS含む) 9件,EPD(ENPD)1件であった(重複あり).【成績】盲端部到達率は胃全摘または亜全摘+R-Y症例が90.9%(50/55),胆管空腸吻合術(胃切除なし)+R-Y症例が90.9%(10/11),全体で90.9%(60/66)であった.初回乳頭における処置成功率は92%(46/50),また不成功4例についてもランデブー法を併用し手技完遂した.成功となった.合併症については乳頭処置に伴う後腹膜穿孔を2例認めたが保存的に軽快した.【結論】当科におけるR-Y再建症例のDBE,SBE乳頭到達率は極めて良好であり,また乳頭到達後処置成功率も高い結果であり,DBE,SBEを用いたR-Yに対する内視鏡治療は有用であると考えられた.
索引用語 術後腸管再建例, 小腸バルーン内視鏡