セッション情報 |
ワークショップ20(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
患者にやさしいERCPの工夫
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タイトル |
内W20-7:ショートガイドワイヤーを用いた胆道内視鏡治療~患者に優しいERCPを目指して~
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演者 |
中嶋 哲也(済生会日田病院) |
共同演者 |
岡部 義信(久留米大・消化器内科), 佐田 通夫(久留米大・消化器内科) |
抄録 |
【背景】近年従来のガイドワイヤー(460cm~480cm)の約半分の長さのショートガイドワイヤー(SGW;205cm~260cm)に特化した各種デバイスが開発されている。当院では安全かつ確実なERCPをめざし、ESTおよび胆道ステント留置術のほぼ全例にSGWを使用している。【対象】2007年1月から2012年2月の間にSGWを用いてESTを376例、プラスチックステント留置443例、メタリックステント挿入85例、ENBD36例を施行した。【使用処置具】SGWはCOOK社製FUSION Wire guide(205cm)、Boston社製Hydra Jagwire(260cm)等を用いた。カニュレーションにはCOOK社製FUSION ERCPカテーテル、Boston社製タンデムXL ERCPカニューレ等を使用した。GW固定のためにロッキングデバイス(Boston社製、Cook社製)を必ず用いた。使用スコープは鉗子起上装置でのGW固定が可能なオリンパス社製TJF-260V、JF-260Vを用いた。【方法とコツ】SGWを胆管に挿入した後にカテーテルだけを抜去するには、鉗子起上装置でSGWを固定しカテーテルを引き抜く。しかしカテーテルを引き抜ききる前にSGWの長さが足りなくなる。この時GWルーメンに生理食塩水をフラッシュしながらカテーテルを抜去する。あとは術者自身が鉗子起上装置とロッキングデバイスの二点で固定されたSGWに、モノレール式またはロープウェイ式に、各種デバイスやステントを挿入する。【考察】SGWは術者の手元に先端の状況が伝わりやすく、術者自身によるGW操作により穿孔や穿通の予防が可能となる。また断端が床につかない長さ故、清潔の確保が可能である。固定されたGWを介してのデバイスの出し入れは不意のGW逸脱が防げ、ステント挿入などに要する時間を短縮できる。ステント挿入等において介助者との協調作業を最小限にでき、長いGWの取り回しから解放された介助者は、患者の安静確保やバイタルサインのチェック等に目を配ることが可能となる。【結語】SGWは安全、確実かつ迅速なERCPの助けになる。 |
索引用語 |
ショートガイドワイヤー, ロッキングデバイス |