セッション情報 |
ワークショップ21(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
細径内視鏡スコープの食道胃スクリーニング精度と偽陰性例の検討
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タイトル |
内W21-7:経鼻内視鏡検診での発見胃癌における生検適中度の検討
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演者 |
吉村 理江(人間ドックセンターウェルネス) |
共同演者 |
志賀 典子(人間ドックセンターウェルネス), 那須 繁(人間ドックセンターウェルネス) |
抄録 |
経鼻内視鏡による胃がん検診の問題点を生検手技の観点から検討する目的で,当施設での発見胃癌の生検適中度について検討した.【対象と方法】2005年4月から2011年8月の期間に経鼻内視鏡検診を受診したのべ17,205例中,発見胃癌は39例(癌発見率0.23%),このうち抗血栓療法中のため生検不可であった2例を除き,生検を実施した37例を対象とした.なお胃生検組織診断は2010年5月以降の検体は胃癌取扱い規約第14版の新グループ分類,それ以前は旧グループ分類で診断を行った.【結果】37例中,Group IV/4またはV/5が得られたのは26例で,生検適中率は70.3%であった.その他Group III/3が3例,異型上皮とコメントされたものが4例,Group I/1が4例であった.Group I/1の4例は(1)噴門部後壁0-IIc類似(低分化型腺癌,T2),(2)体上部小彎0-IIc(印環細胞癌,T1(M)),(3)体中部後壁0-IIc(高分化型腺癌、T1(SM)),(4)前庭部前壁0-IIc(印環細胞癌、T1(M))で,全例を要精密検査と判定し2次医療機関により癌の正診に至った.(1)(2)は経鼻内視鏡の生検操作困難部位に相当し,(3)(4)は病変径10mm以下の小病変であった.【結語】経鼻内視鏡の生検鉗子は通常径内視鏡と比較して小型であるため採取できる組織量は小さく,また挿入時に屈曲率が変化するため特にU領域では正確な生検が困難になることが少なくない.近年、鉗子の改良に伴い狙撃能向上が期待されているが,それでも通常径の操作性と同等とはいえない.たとえ生検結果が陰性でも肉眼的に悪性を強く疑う場合には,確実な事後フォローが重要である。 |
索引用語 |
経鼻内視鏡, 生検適中率 |