セッション情報 |
ワークショップ21(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
細径内視鏡スコープの食道胃スクリーニング精度と偽陰性例の検討
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タイトル |
内W21-8:高画質経鼻内視鏡FUJIFILM EG-580NWを用いた胃腫瘍診断
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演者 |
原 太郎(千葉県がんセンター・内視鏡科) |
共同演者 |
山口 武人(千葉県がんセンター・消化器内科), 鈴木 拓人(千葉県がんセンター・内視鏡科) |
抄録 |
【背景】極細径スコープを用いた経鼻内視鏡は画質が劣ることから、主にスクリーニング内視鏡と位置づけられている。しかし、第5世代 極細径スコープであるFUJIFILM EG580-NWは、新開発のCCDを搭載し高画質画像が得られることから、ハイビジョン経口内視鏡にも劣らない、精密検査にも対応可能な経鼻内視鏡と期待される。今回、FUJIFILM 580NWの胃腫瘍診断における診断能の評価および、極細径内視鏡に適した前処置法について報告する。【対象と方法】対象は当センターにてEG-580NWを用いて術前に極細径内視鏡検査を行い、治療時にハイビジョン経口内視鏡観察後、ESDを行った胃腫瘍62例 (早期胃癌52例、胃腺腫10例。平均腫瘍径16.8mm)。治療後の切除標本の病理組織と各内視鏡画像(極細径内視鏡vs経口非拡大内視鏡vs経口拡大内視鏡)との比較を内視鏡専門医3名により行い病変検出能、病変観察能(質的診断能)、範囲診断能を検討し極細径内視鏡の診断能の評価を行った。使用光源、プロセッサー:経鼻内視鏡FUJIFILM Advancia HD:EG580NW:経口内視鏡OLYMPUS EVIS LUCERA:GIF-H 260Z。極細径内視鏡使用時には通常の経口内視鏡前処置に加え、アルルカリイオン微温80ml服用による粘液除去を行い、送水装置ウォータープリーズによる胃内洗浄を行った。【結果】極細径内視鏡の胃腫瘍の病変検出能は59/62(95%)、経口非拡大内視鏡59/62(95%)であり通常経口内視鏡検査と同等の診断能を有していた。一方、インジゴカルミン散布、腺管構造観察、色調変化による範囲診断能は極細径内視鏡56/62(90%)、通常経口内視鏡(非拡大)56/62(90%)、拡大NBI内視鏡60/62(97%)であり、早期胃癌の4例において極細径内視鏡は拡大NBI内視鏡に比べ劣っていたが、経口非拡大内視鏡とは同等の診断能を有していた。【結語】第5世代 極細径スコープであるEG-580NWは、ハイビジョン経口スコープと同等以上の性能を備えているため、上部消化管がんの精密検査にも対応可能な経鼻内視鏡と考えられた。 |
索引用語 |
経鼻内視鏡, 極細径内視鏡 |