セッション情報 |
ワークショップ21(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)
細径内視鏡スコープの食道胃スクリーニング精度と偽陰性例の検討
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タイトル |
内W21-9:新しい細径経鼻内視鏡による食道腫瘍性病変の診断能の検討
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演者 |
河合 隆(東京医大病院・内視鏡センター) |
共同演者 |
福澤 麻理(東京医大病院・内視鏡センター), 後藤田 卓志(東京医大病院・消化器内科) |
抄録 |
背景:細径経鼻内視鏡が日本において注目され、広く普及しているが、画質 、吸引機能などの機能が劣るといわれ、診断能が問題視されている。これまで食道観察において当施設ではNBI観察を用いることにより、105例における検討で、5mm以上のiodine不染色食道病変認識に関する感度・特異度、正診率は、白色光(WL)観察では25.4%、98.1%、62.9%、一方NBI観察では、それぞれ58.8%、96.3%、78.1%であり、明らかに食道病変の認識率は、有意にNBI観察にて高いことを報告した。5mm以上のiodine不染色食道病変をNBI観察によりbrownish area (BNA)として視認可能であるが、炎症と腫瘍性病変の鑑別は困難であった。新しい細径経鼻内視鏡(Y-0042)は近接することでハイビジョン画像と同等の画質を有することから早期・表在食道癌の診断に有用である乳頭内血管ループ(IPCL)のドット状変化を観察することが可能である。方法:対象は本検討に同意を得られた58例。平均年齢63.才。新しい細径経鼻内視鏡を用いて10mm以上のBNAの頻度を検討するとともに、BNAに対して近接観察を施行し、IPCLのドット状変化有無を検討した。結果:10mm以上のBNAは15.5%(9/58)に認めた。炎症性変化が5例、高度異型が1例、早期・表在食道癌3例であった。早期・表在食道癌3例では、全例にIPCLのドット状変化を認めた。しかし高度異型症では、明らかなIPCLのドット状変化は確認できなかった。一方炎症性変化では、全例IPCLのドット状変化は認められなかった。結語:近接高解像度機能を有する細径経鼻内視鏡は、食道癌のスクリーニング、さらには鑑別診断にも有用であると思われた。 |
索引用語 |
食道癌, 経鼻内視鏡 |